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導入事例/コラム

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ガスケットの取扱説明書|漏れを防ぐ設計・保管・正しい締付方法

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ガスケットの取扱説明書|漏れを防ぐ設計・保管・正しい締付方法

ガスケットからの漏洩トラブルの多くは、製品自体の不良ではなく、設計、保管、そして締付方法といった「取扱い」に起因します。ガスケットの性能を100%引き出し、安全なプラント操業を実現するために、設計から装着までの各段階で守るべき重要なポイントを解説します。

ステップ1:設計時の注意点

ガスケットの選定と同時に、漏れのない継手(フランジ)構造を設計することが最初のステップです。

  • 均一な締付面圧が得られるよう、適切なボルト本数・太さ、ガスケット寸法、ボルト配置を検討してください。
  • 内圧によってフランジが変形(ローテーション)しにくい構造、材料、寸法を選定してください。
  • 継手部に過大な熱応力や繰り返し曲げ応力がかからないように設計してください。
  • 配管内にドレンやスケールが溜まらない構造にしてください。
  • 継手部に外部からの振動が伝わらないよう配慮してください。

ステップ2:保管時の注意点

ガスケットは繊細なシール部品です。性能を維持するため、適切な環境で保管してください。

  • 直射日光、オゾン、新鮮な空気を避け、冷暗所で保管してください。
  • 高温・多湿・腐食環境を避け、ほこりのない清浄な場所を選んでください。
  • 釘などに引っ掛けて吊るすと変形の原因になります。平らな場所で、袋や箱に入れて保管してください。

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ステップ3:装着前の準備と確認

ガスケットを取り付ける前に、フランジの状態を万全に整えることが漏れ防止の鍵です。

  • フランジ面の清掃と点検が最も重要です。接合面をきれいに掃除し、傷、錆、凹凸がないか確認し、必要であれば補修してください。
  • 配管とフランジが直角になっているか、フランジ同士の軸がずれていないかを確認・修正してください。
  • ガスケットを現場へ運ぶ際や作業中に、傷を付けないよう丁寧に扱ってください。

ステップ4:装着時の注意点と正しいボルト締付方法

最終段階である装着作業は、漏れを左右する最も重要な工程です。特にボルトの締付方法は、JIS規格でも定められています。

JIS B 2251-2024「フランジ継手締付け方法」の概要

締付け手順

  1. 準備:全てのボルト・ナットを手で締め、ガスケットを軽く密着させます。
  2. 対角締め:トルクレンチを使い、指定トルクの20%→60%→100%のように、段階的に対角線上のボルトを締め付けます。
  3. 円周締め(うず巻形ガスケットの場合):対角締めの後、全ボルトを目標トルクの50%で円周上に1周締め付けます。
  4. 最終円周締め:全ボルトを目標トルクの100%で円周上に締付けます(250A未満は4周、250A以上は6周が目安)。
  5. 片締め確認:フランジの対角4箇所以上の隙間をノギスなどで測定し、均一に締まっているか確認します。
  6. 増締め:締め付け完了から**4時間以上経過後**に、全ボルトを目標トルクの100%で1〜2周の円周締付けを行います。

その他の重要事項

  • 異物が噛み込まないよう、清浄な環境で作業してください。
  • 過剰な締め付けはガスケットの破壊に繋がるため、トルク管理を徹底してください。
  • 一度漏れたガスケットの増し締めは危険です。原則として、新しいガスケットに交換してください。

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