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【原因から学ぶ】パッキンの水漏れ対策と正しい選び方|現場の3つのチェックポイント

【原因から学ぶ】パッキンの水漏れ対策と正しい選び方|現場の3つのチェックポイント
「またパッキンから漏れている…」「何度も直しているのに、原因が特定できない」
このようなお悩みで、現場の作業が止まっていませんか?
この記事では、パッキンの漏れが発生する3つの主な原因と、現場目線で実践できる具体的な対策を徹底的に解説します。設備の保全担当者や現場のリーダーの方はぜひお役立てください。
パッキンが水漏れする3つの原因と対策
パッキンの漏れは、些細なことがきっかけで起こります。しかし、そのほとんどは以下の3つの原因に集約されます。
原因①:締付けトルクが不適切
最も多い原因の一つが、締付けの強さが適切でないことです。弱すぎれば隙間ができて漏れ、逆に強すぎるとパッキンが潰れてしまい、かえって漏れの原因となります。
【対策】トルク管理が可能な工具を使用する
感覚に頼らず、トルクレンチなどの専用工具を使い、規定値に合わせて均一に締め付けを行いましょう。これにより、締め付け不足や過剰な締め付けを防ぎます。
原因②:使用環境に合っていない材質選定
パッキンは、流れる流体・温度・圧力によって最適な材質が大きく異なります。環境に適さない材質を選ぶと、硬化、膨潤(ふやけること)、劣化を早め、漏れを引き起こします。
《材質選定の例》
- 油系流体 → NBR(ニトリルゴム)など耐油性の高い材質
- 高溫環境 → 金属ガスケットなど耐熱に優れた材質
- 薬品 → PTFE(テフロン)などの耐薬品性に優れた材質
- 食品・製薬 → シリコンやEPDMなど、FDA適合材質
【対策】流体の種類や温度・圧力条件を専門家に相談する
メーカーや専門の業者に現在の使用環境を伝え、最適な材質を選定してもらうことが確実です。
原因③:経年劣化やメンテナンス不足
パッキンは消耗品であり、使用を続けるうちに必ず劣化します。定期的な点検や交換を怠ると、硬化やひび割れ、変形などを起こし、シール性能が著しく低下します。
【対策】定期的な交換計画を立てる
稼働状況に応じて、半年〜2年ごとに交換目安を設定しましょう。「いつ交換したか」の記録を残し、メンテナンス計画を"見える化"することが安定稼働の鍵です。
【改善事例】洗浄工程で発生した漏れトラブルの解決
ある製薬工場では、洗浄工程で毎日パッキンから微量の水漏れが発生し、問題となっていました。
発生した問題 | 調査で判明した原因 |
---|---|
毎日、微量の水漏れが発生 |
|
改善内容
上記の原因に対し、以下の対策を実施しました。
- 材質変更:耐薬品性に優れたEPDM-PTFE被覆に変更
- 作業標準化:トルクレンチを導入し、作業者へ締め付けトルクの教育を実施
その結果、2年間以上漏れゼロを実現し、現場の評価も大幅に改善されました。
まとめ:パッキン漏れの解決策一覧
パッキンの漏れは、原因を正しく特定し、適切な対策を打てば必ず止められます。今回解説したポイントを一覧表にまとめました。
原因 | 対策 |
---|---|
締付けトルクの不適切 | トルクレンチで規定値通りに管理する |
材質のミスマッチ | 流体・温度・圧力に合った材質を選定する |
経年劣化 | 定期的な点検・記録の見える化を行う |
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