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なぜ蒸気配管で「一般用ガスケット」を使うと漏れるのか? 「熱劣化」と「硬化割れ」のメカニズム【技術解説】 株式会社ダイコー

なぜ蒸気配管で「一般用ガスケット」を使うと漏れるのか? 「熱劣化」と「硬化割れ」のメカニズム【技術解説】
「蒸気配管から漏れが発生した。開けてみたらガスケットがカチカチになって割れていた」
「手元にあった『汎用ジョイントシート』入れたけど、数ヶ月で止まらなくなった」
「増し締めをしたら、ボロボロに砕け散ってしまった」
プラントの保全現場において、蒸気(スチーム)ラインの漏れトラブルは後を絶ちません。
その原因の多くは、「一般配管用(水・油用)のジョイントシート」を、安易に蒸気配管に使用してしまったという「選定ミス」にあります。
「カタログには耐熱150℃と書いてあったから大丈夫だと思った」
この油断が命取りです。蒸気配管には「蒸気用」を使わなければならない明確な物理的理由があります。
この記事では、間違ったガスケットを使用した際に起こる「熱劣化(硬化)」のメカニズムと、絶対にやってはいけない「増し締め」のリスクについて、ニチアスの技術資料に基づいて解説します。
第1部:ジョイントシートの寿命を決める「ゴムバインダー」
まず、ジョイントシートガスケットの構造を知る必要があります。
ジョイントシートは、アラミドなどの「繊維」を、「ゴム(NBRなど)」でつなぎ合わせて(バインドして)圧縮したものです。つまり、ガスケットの寿命と耐熱性は、つなぎ役である「ゴムの性能」で決まります。
第2部:蒸気ラインで起きる悲劇 — 「熱劣化(硬化)」のメカニズム
もし、一般用のジョイントシートを蒸気配管(例:150℃〜200℃)に使用すると、どうなるでしょうか?
直後は止まりますが、時間の経過とともに恐ろしい変化が起きます。
第3部:最大の罠 — 「増し締め」で粉砕する
「漏れてきたから、増し締め(ホットボルティング)をして止めよう」。この判断が、一般用ガスケットを使用していた場合には致命的なミスとなります。
第4部:正しい対策 — 「蒸気用」を選び、「薄く」する
蒸気配管でのトラブルを防ぐための鉄則は2つです。
最終章:答えはここにある。「選定のご依頼はダイコーへ」
「たかがパッキン」と思われがちですが、蒸気配管における選定ミスは、火傷事故や設備停止に直結する重大な問題です。
「今使っているガスケットが、一般用か蒸気用かわからない」
「蒸気ラインのメンテナンスをするが、最適な厚さと材質を提案してほしい」
「フランジが荒れているので、蒸気用で3mmを使いたいが大丈夫か?」
このような現場の悩みに対し、豊富な知識と実績で応えるのが株式会社ダイコーです。
ダイコーでは、ニチアスやバルカーなどの主要メーカーの「蒸気用ジョイントシート」を常時在庫しています。
お客様の流体条件(圧力・温度)をヒアリングし、「一般用を使ってはいけない箇所」を的確に見極め、最適な材質と厚さ(1.5mm等)を選定。カッティングプロッターやトムソン加工を駆使し、必要な枚数を即座に加工・出荷します。
「蒸気漏れ」を繰り返さないために。
正しい素材と厚みで、安全な現場を作りましょう。選定・加工のご依頼はダイコーへ — どうぞ、お気軽にご相談ください。
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