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導入事例/コラム

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トムソン加工(ビク抜き)徹底ガイド|「型」まで自社で作るダイコーだから実現できる、超短納期・高精度の対応

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トムソン加工(ビク抜き)徹底ガイド
「型」まで自社で作るダイコーだから実現できる、超短納期・高精度の極意

「ゴムパッキンの試作をしたいが、金型代が高すぎて予算が降りない」
「急ぎでジョイントシートの加工が必要だが、型を作るだけで1週間待たされる」
「スポンジやPTFEなど、特性の違う素材をきれいに抜きたい」
「設計変更が多く、その都度金型を修正するのは時間的に無理だ」…。

製造現場における「抜き加工」の課題は、常に「コスト」「納期」「精度」のバランスにあります。
本格的な金型プレスは精度が高いものの、イニシャルコストが高額で納期も長い。一方、手切りやカッティングプロッターは初期費用がかかりませんが、量産時のタクトタイムが長く、単価が高くなる傾向があります。

このジレンマを解決する最適解として、古くから愛用されている技術が「トムソン加工(ビク抜き)」です。

しかし、多くの加工業者は「型」の製作を外部の抜型メーカーに外注していることがほとんどです。そのため、型の微調整や急ぎの対応には限界がありました。
株式会社ダイコーは違います。ダイコーは、パッキン・ガスケットの加工業者でありながら、「トムソン型を自社で設計・製作(内製化)」できる、業界でも稀有な体制を整えています。

この記事では、トムソン加工の基礎知識から、ダイコーがなぜ「型の自社製作」にこだわるのか、その技術的なメリットと、ジョイントシート・ゴム・スポンジ・PTFEといった多種多様な素材への対応力について、徹底的に解説します。

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第1部:トムソン加工(ビク抜き)とは?— その仕組みと金型にはないメリット

トムソン加工は、別名「ビク抜き」とも呼ばれる、打ち抜き加工の一種です。

1-1. 「お菓子作り」と同じ原理

その仕組みは非常にシンプルで、クッキーの型抜きによく似ています。

  • ベース板: ベニヤ合板や樹脂板をベースにします。
  • 溝加工: レーザーなどで製品形状通りの溝(スリット)を掘ります。
  • 刃の埋め込み: その溝に、鋼鉄製の帯状の刃物(トムソン刃)を曲げながら埋め込みます。
  • プレス: これをプレス機に取り付け、材料を「押し切る」ことで製品を打ち抜きます。

金型(雄型・雌型のセット)のように金属の塊を削り出すのではなく、「板に刃を植える」だけなので、構造が単純で軽量です。

1-2. 金型プレスと比較した「2つの圧倒的メリット」

なぜ、あえて金型ではなくトムソン加工が選ばれるのでしょうか。

  • イニシャルコストが激安(1/10 ~ 1/30): 本格的な金型が数万円~数十万円するのに対し、トムソン型は数千円~数万円で製作可能です。例えばA4サイズ程度であれば、金型なら約30万円かかるところを、トムソン型なら約1万円程度で済むケースもあります。小ロット生産や、設計変更の可能性がある試作段階では、この差が決定的になります。
  • 形状変更が容易: 金型の修正には溶接や再切削が必要ですが、トムソン型は「刃を植え替える」だけで修正が可能な場合もあり、設計変更への柔軟性が高いのも特徴です。

第2部:ダイコーの真骨頂。「トムソン型 自社製作」がもたらす3つの革命

一般的なパッキン加工業者は、お客様から図面をもらうと、それを「抜型屋さん」に送って型を作ってもらい、型が届いてから加工を始めます。これでは、どんなに加工が速くても、型の輸送日数や外注先のスケジュールに納期が左右されてしまいます。
株式会社ダイコーは、この「トムソン型の設計・製作」を社内で行う設備と技術を持っています。これが、他社には真似できない圧倒的なサービスの源泉です。

メリット①:驚異的な「短納期」対応 — タイムラグ・ゼロ
外注にかかる物理的な輸送時間や、発注の手間がゼロになります。
「今日の午前に図面をもらい、午後には型を組み上げ、夕方には製品を出荷する」。
ダイコーなら、このような超特急対応が物理的に可能です。急なライン停止や、設計ミスのリカバリーなど、一刻を争う現場の救世主となります。


メリット②:素材を知り尽くした「最適な刃の選定」
ここが最も重要な技術的ポイントです。外注の型屋さんは「型のプロ」ですが、「その素材をダイコーのプレス機で抜く時のクセ」までは知りません。
ダイコーは、創業からパッキン・断熱材を扱ってきた「素材のプロ」であり、かつ「加工のプロ」です。「この硬さのゴムを、この厚みで抜くなら、刃の角度は〇〇度がベストだ」「ジョイントシートのこの形状なら、刃の継ぎ目はここに持ってこないと強度が落ちる」といった、現場の経験知をダイレクトに型設計に反映できます。これにより、バリやダレの少ない、最高品質の型を設計できるのです。


メリット③:即座の「メンテナンス・修正」
量産中に刃が摩耗したり、欠けたりしても、その場で刃を交換・修理して生産を再開できます。外注なら修理に数日かかるところを、数分~数時間で解決できるため、量産スケジュールの遅延リスクを極限まで低減します。

第3部:ダイコーが得意とする素材別・トムソン加工のポイント

ダイコーのトムソン加工は、柔らかいものから硬いものまで、多種多様な工業用素材に対応しています。それぞれの素材特性に合わせた、ダイコーならではの加工技術をご紹介します。

1. ジョイントシート

特徴: アラミド繊維などをゴムで固めた、硬くて高密度なシート。フランジパッキンとして最も一般的です。

加工の課題: 素材が硬いため刃への負担が大きく、切れ味が悪いと切断面が毛羽立ったり、層間剥離(層がめくれること)を起こしたりします。

ダイコーのソリューション: 高硬度材専用の強靭な刃を使用します。自社製作により、複雑なフランジ形状や多数のボルト穴配置でも、ピッチ精度を厳密に出した型を作成し、JISフランジガスケットから異形ガスケットまで高精度に打ち抜きます。

2. ゴム(Rubber:NR, NBR, EPDM, CR, FKM, IIR等)

特徴: 弾力があり、圧力をかけると変形する。

加工の課題: プレスした瞬間にゴムが潰れて横に広がり、刃が通り過ぎて元に戻ると、断面が「太鼓状(中凹み)」になりやすいという、ゴム特有の現象が起きます。これにより、狙った寸法が出にくいのが難点です。

ダイコーのソリューション: 抵抗の少ない刃を選定したり、刃の厚みを調整することにより、垂直に近いきれいな断面を実現します。

3. スポンジ(CRスポンジ, EPDMスポンジ等)

特徴: 非常に柔らかく、簡単に潰れる。気泡を含んでいる。

加工の課題: 柔らかすぎるため、プレス時に素材が極端に押しつぶされた状態で切断され、プレスが上がって素材が復元すると、狙った寸法よりも小さくなってしまう(寸法不良)ことが多々あります。

ダイコーのソリューション: 「切れ味」最優先の鋭角な刃(片刃など)を使用します。スポンジを極力潰さないようにスパッと切るための型設計と、跳ね出しスポンジ(刃の横についている、材料を刃から押し返すためのゴム)の硬度や配置を絶妙に調整し、寸法通りのふっくらとした仕上がりを提供します。

4. PTFE(テフロン®)・エンジニアリングプラスチック

特徴: 硬く、表面が滑りやすい。

加工の課題: 薄いフィルムはバリが出やすく、厚い板は割れやすい。また、素材が滑って位置ズレを起こしやすい。

ダイコーのソリューション: 0.1mm程度のフィルムから、数ミリの板材まで対応します。樹脂特有の「硬さ」に負けない剛性の高い刃と、バリを抑えるためのベース板の平面度管理を徹底しています。特に、絶縁用途で求められる微細な形状も、自社製型で精密に再現します。

第4部:トムソン加工だけじゃない。ダイコーの「加工の総合デパート」

ダイコーの強みは、トムソン加工「も」できることにあります。お客様の要望に合わせて、最適な加工方法を使い分けます。

  • 試作・1個だけ欲しい時: 型代すらもったいない場合は、「カッティングプロッター(Oscillating Knife)」や「ウォータージェット」を使用します。CADデータから直接カットするため、イニシャルコスト0円です。
  • 中量産・スピード重視の時: ここで「自社製トムソン型」の出番です。安価な型代と高速プレスで、最もコストパフォーマンスの良い量産を行います。
  • 超大量生産・超高精度の時: 数万個単位や、ミクロン単位の精度が必要な場合は、協力工場との連携による「金型プレス」も提案可能です。

「どの加工方法が一番安いか分からない」「どれが一番速いか分からない」
そんな時は、図面と数量をダイコーに投げるだけでOK。プロッター、トムソン、金型の中から、最もメリットのある工法を自動的に選定して見積もりを回答します。

最終章:答えはここにある。「選定のご依頼はダイコーへ」

「急ぎでパッキンが欲しいが、型納期が待てない」
「特殊な素材だが、きれいにトムソンで抜けるか試したい」
「イニシャルコストを抑えて、ゴムとスポンジの貼り合わせ品を作りたい」
このような、納期・コスト・素材の悩みが複雑に絡み合う課題。それに対して、「型の自社製作」という強力な武器と、創業から培った「素材の知識」、そして最新の「加工設備」の三位一体で応えることこそ、工業用製品の加工メーカーである株式会社ダイコーの真価です。

専門家による最適な「選定・加工」
「選定のご依頼はダイコーへ」とお任せください。
ダイコーの専門スタッフが、お客様の図面、使用条件、予算、数量を詳細にヒアリング。
ジョイントシート、ゴム、スポンジ、PTFE…。あらゆる素材在庫から最適なものを選び出し、自社で作った型で、自社のプレス機で、責任を持って加工・納品します。
材質の選定に迷ったとき、初期費用を抑えたいとき、超短納期が必要なとき。その答えは、常にここにあります。選定のご依頼はダイコーへ — どうぞ、お気軽にご相談ください。

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