ダイコーの加工技術|ウォータージェットからレーザー・プレス加工まで、ものづくりの心臓部を徹底解説【完全ガイド】
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ダイコーの加工技術|ウォータージェットからレーザー・プレス加工まで、ものづくりの心臓部を徹底解説【完全ガイド】
「図面通りに、複雑な形状のガスケットを1枚だけ作ってほしい」「大口径の樹脂プレートが必要だが、どこに頼めば良いか分からない」「試作品を作りたいが、金型費用が高すぎて断念した」…。
ものづくりの現場では、「最適な素材」を見つけることと同じくらい、「その素材を、いかにして求める形にするか」という「加工技術」が重要になります。どんなに優れた素材も、精密な加工技術がなければ、ただの板や丸棒に過ぎません。特に、試作品開発や小ロット生産、緊急の補修部品の製作において、従来の金型を必要とする製造方法は、コストと納期の大きな壁となって立ちはだかります。
この記事では、工業用製品の加工メーカーである株式会社ダイコーが、なぜ「高品質・短納期・低コスト」でお客様の多様なニーズに応えられるのか、その秘密の核心である「加工設備」に焦点を当て、各設備が持つ能力と可能性を、徹底的に解説します。
第1部:ダイコーの技術力の中核 — 国内最大級「ウォータージェット加工機」
ダイコーの加工技術を象徴する存在が、複数台保有する「ウォータージェット加工機」です。これは、鉛筆の先よりも細く絞った超高圧水を噴射し、そのエネルギーで材料を切断する、最先端の加工方法です。
ウォータージェット加工がもたらす5つの革命
- 熱影響ゼロ — 素材の可能性を最大限に引き出す: レーザーやプラズマ切断と異なり、ウォータージェット加工は熱を一切発生させません 。これは、ゴムや樹脂、スポンジといった熱に弱い材料を加工する上で、計り知れないメリットをもたらします。熱による変質、変色、溶融、硬化といった問題が一切発生しないため、素材が持つ本来の物性を100%維持したまま、精密な加工が可能です。
- 材質を選ばない、驚異の汎用性: 水の力で切断するため、加工できる材質の範囲が極めて広いのが特徴です。カタログに掲載されているノンアスジョイントシート、ゴム、スポンジ、樹脂、繊維、木材といった柔らかい材料から、アルミや銅、ステンレスといった金属まで、ほぼあらゆる工業用素材の切断に対応できます 。
- 金型不要 — 1個の試作品から低コスト・短納期: ウォータージェット加工は、CADデータを基にコンピュータ制御で切断するため、プレス加工で必須となる金型や抜型が一切不要です 。これにより、金型製作にかかる莫大な初期費用と時間を完全に削減。試作品1個、補修部品1枚といった超小ロットの注文でも、圧倒的な低コストと短納期で対応することが可能です 。
- 国内最大級の加工範囲 —「不可能」を「可能」に: ダイコーが保有するウォータージェット加工機の中でも特筆すべきは、最大加工範囲4000mm x 5500mmという、国内最大級の巨大な加工テーブルを持つ設備です 。これにより、他社では物理的に不可能な大口径のガスケットや、大型の樹脂プレート、長尺の緩衝材などを、つなぎ目なしの一体もので製作することができます。「大口径すぎて加工先が見つからない」というお客様の悩みを、ダイコーは解決します 。
- 歪みのない高精度な仕上がり: 刃物で押し切るわけではなく、材料に無理な力をかけない「非接触加工」であるため、薄いシートや柔らかいスポンジでも、反りや歪み、つぶれが生じにくいのが特徴です 。プレス加工で発生しがちな切断面のテーパー(傾斜)も、ウォータージェット加工なら垂直で美しい切断面を得ることができます 。

第2部:多様なニーズに応える、ダイコーの多彩な加工設備群
ダイコーの強みは、ウォータージェット加工だけに留まりません。製品の材質、形状、厚み、そして生産ロット数に応じて、最適な加工方法を選択できるよう、多彩な設備を戦略的に配備しています。
1. プロッター(ルーター機能付き)加工機
CADデータに基づき、カッター刃や切削ドリル(ルーター)を自動で動かし、材料を加工する機械です。
- 特長: ウォータージェットと同様に金型不要で、複雑な形状をデータから直接、高精度に切り出すことが可能です 。ルーター機能を使えば、プロッターの刃では難しい厚みのある樹脂や硬い材料の切削加工も行えます 。
2. レーザー加工機
高エネルギーのレーザー光で材料を焼き切る加工方法です。
- 特長: ウォータージェットよりも高速な切断が可能で、非接触加工のため材料への負荷がありません 。アクリルなどの樹脂加工においては、切断面が滑らかで透明な光沢を持つというユニークな仕上がりが得られます。
3. プレス加工機
トムソン型(ビク型)と呼ばれる木製の板に刃を埋め込んだ抜型を使用し、材料を打ち抜く、伝統的かつ効率的な加工方法です。
- 特長: 一度のプレスで一つの製品が完成するため、生産性が非常に高く、大量生産に適しています 。ダイコーでは、300tや100tといった大型プレス機から高速自動機まで、多数のプレス機を保有しており、数万、数十万個といった大ロットの注文にも対応可能です 。
4. その他の専門設備
上記の主要設備に加え、ダイコーは特定の製品や加工に特化した専門設備も自社で保有しています。
- うず巻き型ガスケット製造機: 高温・高圧用のうず巻き形ガスケットを自社で製造するための専用機です 。
- スリッター加工機: ロール状のシート材を、指定の幅に連続してカット(スリット)する機械です 。
- 汎用旋盤: 丸棒状の材料を回転させ、削り出すことで、軸やスリーブといった円筒形の部品を製作します 。
- レーザーマーカー: 熱線照射をしぼる事で高精度なマーキングが可能であり、細かい描画でも判別出来、ラベルやプリントのように剥がれたり消える心配もありません。
この多種多様な設備群こそが、ダイコーが「加工メーカー」として、あらゆる材質・形状・ロットの注文にワンストップで応えられる理由なのです。
最終章:答えはここにある。「複雑な選定・加工はダイコーへ」
この記事で見てきたように、株式会社ダイコーの神髄は、単に豊富な製品を在庫していることではありません。お客様が抱える課題に対し、最適な材質を選定する**「知識」と、その材質を求める形へと昇華させる多彩な「加工技術」**、その両方を高いレベルで併せ持つことにあります。
「新しい素材を試したいが、テスト加工してくれるところがない」
「加工時の熱で材料が変色してしまい、困っている」
「とにかく急ぎで、この特殊形状のパッキンが1枚欲しい」
このような、カタログのスペック表を眺めるだけでは決して解決できない、ものづくりの現場で日々生まれるリアルな課題。それに対して、ダイコーは明確な答えを持っています。
- 熱を避けたいなら、ウォータージェット加工。
- 大口径で加工先が見つからないなら、国内最大級のウォータージェットを持つダイコーへ。
- 1個の試作品を低コスト・短納期で作りたいなら、金型不要のウォータージェットやプロッターで。
- 数万個の量産なら、多数のプレス機で効率的に。
最適な材質の選定から、最適な加工方法の選択、そして製品の納品まで。そのすべてをワンストップで、お客様の立場に立って考え、提案し、実現する。それこそが、50年以上にわたりダイコーが培ってきた「加工メーカー」としての誇りです。
材質の選定に迷ったとき、特殊な加工が必要なとき、あるいはどこに頼めば良いか分からない課題に直面したとき。その答えは、常にここにあります。複雑な選定・加工はダイコーへ — どうぞ、お気軽にご相談ください。
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ガスケット・パッキン・工業用製品の総合カタログ
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