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導入事例/コラム

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【銅パッキン選定ガイド】C1100とC1220の違いとは?「焼きなまし」で漏れを防ぐダイコーの加工技術

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【銅パッキン選定ガイド】C1100とC1220の違いとは?「焼きなまし」で漏れを防ぐダイコーの加工技術

産業用ガスケットの世界で、「熱」と「電気」を扱う現場に欠かせない素材が「銅(Copper)」です。
しかし、銅パッキンには「C1100(タフピッチ銅)」と「C1220(リン脱酸銅)」という2つの主要グレードがあり、選定を間違えると「溶接部が割れる」「期待した導電性が得られない」といったトラブルを招きます。

本記事では、これら2つの銅グレードの違いと、銅パッキンのシール性を劇的に高める「焼きなまし(軟化処理)」の重要性について、工業用パッキンの専門メーカーである株式会社ダイコーが解説します。

1. そもそも、なぜ「銅」のパッキンが使われるのか?

ゴムや樹脂ではなく、あえて金属である「銅」をパッキンに採用する理由は、以下の3つの物理的特性にあります。

① 圧倒的な「熱伝導性」と「導電性」

銅は、銀に次いで電気と熱をよく通す金属です。熱交換器のシール材や、大電流が流れる電極部のパッキンとして、他の金属(鉄やステンレス)では代替できない性能を発揮します。

② 馴染みの良さ(展延性)

銅は金属の中では比較的柔らかく、粘り強い性質(展延性)を持っています。ボルトで締め付けることでフランジ面の微細な凹凸に変形して食い込み、高い気密性を確保します。

③ 耐熱・耐食性

高温環境でも溶けたり燃えたりせず、水や湿気に対して良好な耐食性を示します(酸化皮膜による保護)。

2. 失敗しない選定!「C1100」と「C1220」の決定的な違い

JIS規格で定められたこれら2つのグレードは、成分中の「酸素」と「脱酸剤(リン)」の有無によって区別されます。

【C1100】タフピッチ銅

市場で最も一般的に流通している純銅です。

  • 特徴: 微量の酸素を含みます。
  • メリット: 導電率と熱伝導率が極めて高いのが最大の特徴です。コストパフォーマンスにも優れています。
  • 主な用途: 電気部品、ブスバー、汎用パッキン、ガスケット。

【注意】 「水素脆化」のリスクがあるため、600℃以上の高温加熱や、還元雰囲気中での溶接・ロウ付けは厳禁です。

【C1220】リン脱酸銅

酸素を「リン(P)」で除去した銅です。

  • 特徴: 酸素を含まない(無酸素に近い)状態です。
  • メリット: 高温加熱しても水素脆化を起こさないため、溶接やロウ付けが可能です。絞り加工性にも優れています。
  • デメリット: リンの影響で、導電率はC1100に比べて低下します(C1100の約85%程度)。
  • 主な用途: 空調・給水配管、熱交換器、溶接が必要なタンクのパッキン。

【比較表】C1100 vs C1220 選定早見表

比較項目 C1100(タフピッチ銅) C1220(リン脱酸銅)
導電性・熱伝導性 ◎ 極めて高い ◯ 良好(やや劣る)
溶接・ロウ付け × 不可(水素脆化のリスク) ◎ 可能
耐食性・耐候性 ◯ 良好 ◯ 良好
主な形状 板、条、棒 管(パイプ)、板
推奨シーン 電気接点、一般的なシール 配管継手、溶接構造物

3. 銅パッキンの性能を決める「焼きなまし(アニール)」とは?

銅パッキンを使用する際、「新品なのに漏れる」「硬くて締め付けが効かない」というトラブルがよく起こります。
その原因の多くは、「加工硬化」です。

なぜ「焼きなまし」が必要なのか?

銅板をプレス機で打ち抜いたり切削したりすると、素材に力が加わり、硬くなってしまいます(加工硬化)。硬くなった銅パッキンはフランジ面に馴染まず、隙間が生じて漏れの原因となります。

そこで必要なのが「焼きなまし(軟化処理/アニール)」です。
加工後の銅パッキンを適切な温度で加熱し、ゆっくり冷却することで、金属組織をリセットして「柔らかい状態」に戻します。

ダイコーなら「加工」+「焼きなまし」まで一貫対応

株式会社ダイコーでは、C1100やC1220の「打ち抜き加工」はもちろん、その後の「焼きなまし処理」まで一貫して対応可能です。
「曲げられるほど柔らかく、馴染みの良い銅パッキン」をお届けします。

4. よくある質問(FAQ)

Q. 銅パッキンに裏表はありますか?

A. 基本的に材質的な裏表はありませんが、打ち抜き加工時の「バリ(突起)」がある面と「ダレ(丸み)」がある面があります。一般的に、バリのない面(ダレ面)をシール面に向けるか、バリ取り処理を行ったものを使用することを推奨します。

Q. C1100を溶接に使ってはいけない理由は?

A. 「水素脆化(すいそぜいか)」を起こすためです。C1100に含まれる微量の酸素が、溶接時の熱と水素に反応して水蒸気を生成し、銅の内部から亀裂を生じさせます。溶接用途には必ずC1220(リン脱酸銅)またはC1020(無酸素銅)を選定してください。

 

まとめ:銅パッキンの選定・加工はダイコーへ

  • 電気・熱伝導重視なら → C1100(タフピッチ銅)
  • 配管・溶接用途なら → C1220(リン脱酸銅)
  • 漏れ防止の決め手は → ダイコーの「焼きなまし処理」

銅パッキンの材質選定から、図面に合わせた精密加工、そして最適な硬度への調整まで。
工業用パッキンのことなら、専門知識と豊富な設備を持つ株式会社ダイコーにお任せください。

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