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導入事例/コラム

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イノアック「C-4305」徹底ガイド|難燃・止水・耐久性を網羅するクロロプレンゴムスポンジの決定版 株式会社ダイコー

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イノアック「C-4305」徹底ガイド|難燃・止水・耐久性を網羅するクロロプレンゴムスポンジの決定版

「機器の隙間から水や埃が浸入するのを防ぎたいが、長期的な耐久性も譲れない」
「電気機器内部で使用するため、難燃規格(UL)に合格した信頼できるスポンジが必要だ」
「ゴムスポンジを使いたいが、種類が多すぎてどれを選べば良いか分からない」…。

防水シール材やクッション材、パッキン材の選定において、「止水性」「難燃性」「耐候性」という3つの要素を高いレベルで満たす素材は意外と多くありません。一般的なスポンジでは、「水は止まるが燃えやすい」「難燃だが耐候性が弱い」といった一長一短があるのが現実です。

これらの課題に対し、長年にわたり産業界のスタンダードとして選ばれ続けているのが、株式会社イノアックコーポレーションが製造するクロロプレンゴム(CR)系スポンジ**「ゴムスポ® C-4305」**です。

この記事では、メーカー公式の技術資料および製品特性に基づき、C-4305がなぜ多くのエンジニアや設計者から「とりあえずC-4305を選んでおけば安心」と言われるほどの信頼を得ているのか、その性能の核心である「独立気泡構造」と「難燃CR配合」の秘密から、具体的な用途、そしてその素材を現場のニーズに合わせて自在に形にする「加工技術」まで、徹底的に解説します。

第1部:ゴムスポ® C-4305とは?— 信頼の証「CR×独立気泡×難燃」

C-4305は、ゴムスポンジのトップメーカーであるイノアックが提供する、クロロプレンゴム(CR)を主成分とした黒色・中硬度の発泡体です。その性能は、以下の3つの要素によって構成されています。

1-1. 材質:バランスの王者「クロロプレンゴム(CR)」

C-4305の基材はクロロプレンゴムです。CRは、合成ゴムの中でも特に物性バランスに優れた素材として知られています。

  • 耐候性・耐オゾン性: 屋外で使用しても紫外線やオゾンによる劣化(ひび割れなど)が少なく、長期間シール性能を維持します。
  • 耐熱性・耐油性: 一般的なゴムスポンジと比較して中程度の耐熱性と耐油性を持ち、機械油がかかる環境や、多少の熱が発生する機器周辺でも使用可能です。
  • 難燃性: CR自体が自己消火性を持つため、安全性が求められる用途に最適です。

1-2. 構造:水を一切通さない「独立気泡(Closed Cell)」

C-4305の最大の特徴は、その気泡構造にあります。スポンジには、気泡が繋がっている「連続気泡」と、一つひとつが独立している「独立気泡」がありますが、C-4305は完全な「独立気泡構造」です。

  • 完全止水・防水: 気泡が独立しているため、水や空気が内部を通過することができません。表面だけでなく、カットした断面であっても、その独立した気泡壁が水の浸入を物理的にブロックします。これにより、低い圧縮率でも確実な止水が可能となります。
  • 吸水性ゼロ: 水に浸してもスポンジ内部に水が染み込むことがありません。これにより、カビの発生や、水分を含んだことによる重量増加、断熱性能の低下を防ぎます。
  • 高反発・高剛性: 気泡の中に空気が閉じ込められているため、潰した際に「エアクッション」のような反発力を生みます。これが優れたクッション性と、重い筐体を支える剛性につながります。

1-3. 認証:世界基準の安全性「UL94 HF-1」

C-4305は、アメリカの安全性認証機関ULが定める燃焼性試験において、「UL94 HF-1」(およびHBF)という高い難燃グレードの認証を取得しています 。

  • 1.0mm ~ 3.3mm厚: HF-1(難燃性スポンジとして最高ランクの基準)
  • 8.0mm厚: HBF
  • 鉄道車両用材料燃焼性試験: 「難燃性」判定(10mm, 15mm, 20mm)

万が一の火災時でも、火が燃え広がりにくく、自己消火する性質を持っているため、家電製品、自動車、鉄道車両、建材など、厳しい安全基準が求められる分野でも安心して採用できます。

第2部:【性能編】データで見るC-4305の実力

カタログスペックから、C-4305の具体的な物理特性を読み解きます 。

2-1. 硬度と圧縮荷重 — 「程よい硬さ」の汎用性

  • 硬さ: 24(Type C)
  • 25%圧縮荷重: 64.0 kPa

C-4305は「中硬度」に分類されます。これは、指で押すと適度な弾力があり、柔らかすぎず硬すぎない絶妙なバランスです。
柔らかすぎるスポンジは潰れすぎてシール圧が確保できず、硬すぎるスポンジはフランジの歪みに追従できません。C-4305のこの「程よい硬さ(汎用性の高い中程度の硬度)」こそが、パッキンとして最も使いやすい理由です。

2-2. 密度と強度 — 軽量かつタフ

  • 見掛密度: 0.18 g/cm³
  • 引張強さ: 0.60 MPa
  • 伸び: 180%

密度0.18という軽量性を持ちながら、引張強さや伸びにも優れています。施工時に引っ張ってもちぎれにくく、振動や衝撃が加わる環境でもボロボロになりにくい耐久性を持っています。

第3部:【用途編】C-4305が選ばれる4つのフィールド

その特性から、C-4305は以下のような幅広い用途で使用されています。

  1. 止水・防水シール材(屋外・水回り): 独立気泡による完全防水性能と、CR由来の耐候性を活かし、屋外配電盤のドアパッキン、建築サッシの止水材、自動車のトランクシールなどに最適です。少ない圧縮で水が止まるため、筐体への負荷も低減できます。
  2. 電気・電子機器のパッキン(難燃性が必須の場所): UL94 HF-1認証を持っているため、パソコン、サーバー、家電製品内部の防塵パッキンやスペーサーとして標準的に採用されています。
  3. クッション材・緩衝材(重量物・振動対策): 適度な硬度とへたりにくさ(圧縮永久歪の少なさ)により、振動するモーターの防振マットや、製品輸送時の保護パッド、治具の当たり止めとしても優秀です。
  4. 断熱材・保温材: 独立気泡内に動かない空気を保持しているため、断熱効果もあります。ダクトの結露防止や、保温が必要なタンクの被覆材としても使用されます。

最終章:答えはここにある。「選定のご依頼はダイコーへ」

イノアックのC-4305は、非常に完成度の高い優れたゴムスポンジです。しかし、素材として優れていても、それを「使える形」にしなければ現場では役に立ちません。

「C-4305を使いたいが、図面通りの複雑なフランジ形状に加工してほしい」
「10mm幅のテープ状にして、裏面に強力な両面テープを貼って納品してほしい」
「1個だけ試作したいが、金型を作ると高くなるので困っている」
「C-4305と似た性能で、もう少し柔らかい(あるいは硬い)素材はないか比較したい」
このような、カタログスペックの先にある「加工」と「最適選定」の課題。それに対して、50年以上の経験に裏打ちされた専門知識(ノウハウ)と、それを形にする加工技術(ソリューション)の両輪で応えることこそ、工業用製品の加工メーカーである株式会社ダイコーの真価です。

専門家による最適な「選定」と「比較」

「選定のご依頼はダイコーへ」とお任せください。
ダイコーでは、C-4305はもちろん、各種スポンジ材料、ゴム、ジョイントシートなど、お客様の用途(屋外、油、熱、圧縮率)に合わせて最適な材料を選定・提案します。

業界屈指の「加工技術」によるオーダーメイド対応力

ダイコーは、C-4305の原板(最大厚み30mm、サイズ1000×2000mm )から以下の加工を即座に行います。

  • ウォータージェット加工・プロッター加工: 金型不要で、CADデータから直接、複雑な形状のパッキンを1個から切り出します。断面も滑らかで、C-4305の独立気泡構造を損ないません。
  • テープ貼り: 用途に合わせた粘着テープの加工。
  • カッティング: 指定の幅、長さに正確にカットし、テープ状や短冊状で納品します。

「信頼できる素材」を、「最適な形状」で、「必要な数だけ」。
材質の選定に迷ったとき、加工方法に悩んだとき。その答えは、常にここにあります。選定のご依頼はダイコーへ — どうぞ、お気軽にご相談ください。

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