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高温・高圧・熱サイクルの切り札:うず巻き型ガスケット「D1000」完全ガイド 株式会社ダイコー

高温・高圧・熱サイクルの切り札:うず巻き型ガスケット「D1000」完全ガイド
はじめに:なぜ、ジョイントシートでは限界があるのか?
プラントや工場設備の配管において、最も一般的な「ジョイントシートガスケット」は、常温・低圧環境下では優れたコストパフォーマンスを発揮します。しかし、現場環境が過酷になるにつれ、以下のリスクが顕在化します。
・高温劣化: 蒸気ライン等で硬化し、早期に漏れが発生する。
・熱サイクルによる緩み: 起動・停止の温度変化で面圧が低下する。
・高圧下での破壊: 圧力に耐えきれず、飛散(ブローアウト)する。
これらの「限界」を超えるために設計されたのが、うず巻き型ガスケット「D1000シリーズ」です。本資料では、その強靭な「構造」と、安全な運用のための「選定ポイント」を解説します。
1. D1000の核心:「うず巻き構造」が生むシール機構
D1000の最大の特徴は、金属と非金属を組み合わせた「弾性(バネ性)」にあります。
2. 安全の要:「内外輪」の役割
高温・高圧の重要ラインでは、うず巻き部単体ではなく、金属リング(内外輪)付きの選定が推奨されます。これは単なる補強ではなく、事故を防ぐ「安全装置」です。
3. ラインナップと選定ガイド
使用箇所や条件に合わせて、最適な形状と材質を選定します。
形状による使い分け
| タイプ | 名称 | 構造 | 特徴・用途 |
|---|---|---|---|
| D1000 | 内外輪付 | 内輪+シール部+外輪 | 【推奨】 最も信頼性が高い。高温・高圧・重要ライン向け。座屈防止機能あり。 |
| D1000 | 外輪付 | シール部+外輪 | 一般的な配管フランジ向け。芯出しと過締付防止機能を持つ。 |
| D1000 | 基本形 | シール部のみ | 溝形フランジ、バルブボンネットなど、特殊なはめ込み箇所専用。 |
充填材(フィラー)による使い分け
- 膨張黒鉛(標準): 蒸気、熱媒体油、LNGなど。幅広い温度(-270℃~450℃)に対応。
- PTFE(テフロン): 強酸・強アルカリなど、腐食性流体に特化。(耐熱は300℃まで)
4. 結論:最適な選定は「経験」が鍵
うず巻き型ガスケットは高性能ですが、その性能を100%引き出すには、流体・圧力・温度・フランジ形状・ボルト材質などを考慮した「正しい選定」が不可欠です。
「カタログの選定表だけでは判断が難しい」
「特殊な形状(楕円など)のガスケットが必要だ」
「緊急のトラブルで、明日の朝までに必要」
そのような時は、株式会社ダイコーへご相談ください。
豊富な知見と自社工場の加工技術により、規格品から特殊仕様まで、お客様の設備の安全を守る最適なシールソリューションを迅速に提供いたします。
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