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導入事例/コラム

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ダイコー D6000 ノンアスジョイントシート|一般配管用ガスケットの決定版を徹底解説【完全ガイド】

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ダイコー D6000 ノンアスジョイントシート|一般配管用ガスケットの決定版を徹底解説【完全ガイド】

「水や油の配管ラインで、安全かつコストパフォーマンスに優れたガスケットを探している」「アスベスト(石綿)製品からの代替を検討しているが、加工性やシール性が不安だ」「急なメンテナンスで、すぐに特殊な形状のガスケットが必要になった」…。

このような、あらゆる産業の“一般配管”における普遍的なニーズに応えるため、工業用製品の加工メーカーである株式会社ダイコーが自信を持って提供するのが、オリジナル製品「D6000 ノンアスジョイントシート」です 。

かつて主流だった石綿ジョイントシートの代替材料として、その優れた加工性を引き継ぎつつ、現代の安全基準をクリアしたD6000は、まさに一般配管用ガスケットの「決定版」とも言える存在です。この記事では、株式会社ダイコーの公式総合カタログに基づき、D6000がなぜ多くの現場で選ばれ続けるのか、その構造と卓越した性能、そしてその能力を100%引き出すための正しい選定・使用方法まで、徹底的に解説します。

第1部:ダイコー D6000とは?その構造と現場で活きる性能

D6000は、単なるノンアスベスト(非石綿)シートではありません。長年にわたり工業用シール材と向き合ってきたダイコーの知見が凝縮された、信頼性の高いガスケット材料です。

性能の核心:高品質な非石綿繊維と耐油性合成ゴムの融合

D6000の基本構造は、高品質な非アスベスト繊維を主成分とし、これに耐油性に優れた合成ゴムバインダーと少量の充填材を配合して、圧延加硫成形されたものです 。この緻密な配合と製造プロセスにより、旧来の石綿ジョイントシートが持っていた利点を損なうことなく、現代の安全要求に応える性能を実現しています 。

現場で活きる3つの卓越した特長

  1. 優れた加工性と迅速な納期対応: D6000の最大の特長の一つが、石綿ジョイントシートと同様の優れた加工性です 。素材が柔軟で切断しやすいため、複雑な形状や特殊な寸法のガスケットでも、迅速かつ精密に製作することが可能です。この特性は、加工メーカーであるダイコーの強みと直結しており、緊急のメンテナンス時などでも短納期での対応を可能にしています 。
  2. 確かなシール性: 素材自体が持つ優れた弾性により、フランジ面の微細な凹凸にもよくなじみ、安定したシール性能を発揮します 。カタログ記載の物性値を見ても、圧縮率7~17%、復元率40%以上という、シール材として十分な機械的特性を有していることがわかります 。
  3. 公的に認められた安全性と信頼性: D6000は、アスベストを一切含まない安全な材料であるだけでなく、水道用器具の適性規格であるJIS S 3200-7(浸出性能試験)の公的試験に合格しています 。これにより、水関連の配管ラインにおいても、安心して使用することができます。
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第2部:D6000の性能を100%引き出すための正しい選定と使い方

D6000は非常に汎用性の高いガスケットですが、その性能を最大限に引き出し、安全に使用するためには、その「得意な領域」と「限界」を正しく理解することが不可欠です。

D6000が得意なアプリケーション

カタログによれば、D6000の主な適用流体は以下の通りです 。

  • 適用流体: 水、海水、熱水、各種工業用水
  • 使用箇所: 各種産業の管フランジ、機器用のガスケット

また、使用範囲として油系流体やガス系流体も挙げられており、その基本的な使用限界は以下の通りです。

  • 最高使用圧力: 2MPa
  • 最高使用温度: 150℃

この「150℃ / 2MPa」という範囲が、D6000を選定する上での一つの大きな目安となります。

【最重要】D6000を選定・使用する上での注意点

D6000は万能ではありません。特に以下の点については、トラブルを避けるために必ず遵守する必要があります。

  • 蒸気配管への使用は厳禁!: カタログには「蒸気配管へのご使用はお避けください」と明確に記載されています 。これはD6000を選定する上で最も重要な注意点です。D6000の構成材料の性質上、高温の蒸気に晒されると材質が劣化し、シール不具合が生じる可能性があります 。蒸気ラインには、D6000ではなく、TOMBO No.1120やうず巻き形ガスケットといった、耐蒸気性に優れた専用のガスケットを選定する必要があります。
  • 高温ガスへの注意: ガス系流体であっても、150℃を超える高温下で使用した場合、バインダーとして含まれる合成ゴムが破損し、「浸透漏れ」を引き起こす恐れがあります 。必ず150℃以下の温度範囲でご使用ください 。
  • ガス系流体で使用する場合の推奨事項: ガスは液体に比べて漏れやすいため、より確実なシール施工が求められます。ガス系流体にD6000を使用する場合は、以下の対策が推奨されています 。
    • ガスケットの厚みは1.5mm以下のものを使用する 。
    • ガスケットペーストを併用してシール性を補助する 。
    • 施工後、熱が加わった初期段階でボルトの増し締めを行う 。

D6000 流体適合表の活用

カタログの35ページには、より詳細な「D6000 流体適合表」が掲載されています 。この表を活用することで、特定の化学薬品に対するD6000の適合性を確認することができます。

  • 適合(○): ガソリン、軽油、潤滑油、エチレングリコール、炭酸など 。
  • 条件により使用可能(△): ナフサ、ヘリウムガス、液化アンモニウムなど 。
  • 使用不可(×): 蒸気、アセトン、トルエン、塩酸、硫酸、塩素水、アンモニアガスなど 。

この表を見ても、D6000が一般的な水・油系流体には強いものの、多くの有機溶剤や腐食性流体、そして蒸気には適していないことが明確に分かります。選定時には必ずこの適合表を確認し、判断に迷う場合は専門家への相談が不可欠です。

最終章:答えはここにある。「複雑な選定・加工はダイコーへ」

ここまで見てきたように、ダイコーのD6000は、「150℃ / 2MPa以下の水・油系一般配管」という明確な得意領域において、加工性、シール性、安全性、そしてコストパフォーマンスのすべてを高い次元で満たす、非常に優れたノンアスジョイントシートです。

しかし、実際のプラントや設備は、常にこの「得意領域」に収まるとは限りません。

「流体温度が200℃を超える蒸気ラインだが、どのガスケットが最適か?」
「D6000が使えない強酸の配管には、何を代わりに使えば良いのか?」
「D6000のシート材から、熱交換器用のリブ付きの複雑な形状を、図面通りに1枚だけ精密加工してほしい」
D6000の限界を超えたとき、あるいは標準的なリング形状ではない特殊な加工が求められたとき。その時こそ、加工メーカーである株式会社ダイコーの真価が発揮されます。

専門家による最適なソリューション提案

D6000が適さないと判断した場合でも、ダイコーの専門スタッフがお客様の条件を詳細にヒアリング。カタログに並ぶD4000(膨張黒鉛系)やD1000(うず巻き形)、D7000(PTFEクッション)といった高機能ガスケット群、さらには各メーカーの製品の中から、お客様の課題を解決する最適なシールソリューションを的確に選定・ご提案します。

業界屈指の加工技術によるオーダーメイド対応

D6000の優れた加工性を最大限に活かすだけでなく、ダイコーが保有する国内最大級のウォータージェット加工機(最大4000mm x 5500mm)やプロッター、レーザー加工機を駆使すれば、材質を問わず、あらゆる形状のガスケットを金型不要で1枚から製作可能です 。大口径のフランジガスケットから、複雑な形状の機器用パッキンまで、お客様の「欲しい」を形にします。

標準的な一般配管には、信頼と実績の「D6000」を。そして、それだけでは解決できない高度な課題や特殊な要求には、専門知識と圧倒的な加工技術を。

材質の選定に迷ったとき、特殊な加工が必要なとき、あるいはどこに頼めば良いか分からない課題に直面したとき。その答えは、常にここにあります。複雑な選定・加工はダイコーへ — どうぞ、お気軽にご相談ください。

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