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導入事例/コラム

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【漏洩対策】シートガスケット重要注意事項ガイド|現場のトラブルを防ぐ 株式会社ダイコー

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【漏洩対策】シートガスケット重要注意事項ガイド|現場のトラブルを防ぐ

プラントや工場の配管、各種機器のフランジ部分からの流体漏れは、時に大きなトラブルにつながる可能性があります。その漏れを確実に防ぐために不可欠な部品が「シートガスケット」です。しかし、ガスケットはただ挟み込めば良いというものではありません。その性能を100%発揮させ、長期的に安定したシール性能を維持するためには、保管から選定、取り付け、そしてメンテナンスに至るまで、守るべき重要な注意事項があります。この記事では、現場で必ず役立つシートガスケットの取り扱いに関する一連の注意点を、手順を追って詳しく解説します。

【1. 保管編】性能劣化を防ぐ正しい保管方法

ガスケットは、使用前からその品質管理が始まっています。不適切な保管は、材質の劣化を引き起こし、本来のシール性能を損なう原因となります。

  • 冷暗所に保管する: 直射日光、オゾン、高温多湿を避け、室内の冷暗所で保管してください。
  • 平らな状態で保管する: 釘に引っ掛けて吊るしたり、折り曲げたり、上に重いものを載せたりしないでください。変形や破損の原因となります。購入時の梱包状態のままか、平らな棚に横積みで保管するのが理想です。
  • 異物から守る: 包装から出さず、ホコリや油分が付着しないように注意してください。

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【2. 準備編】取り付け前の重要チェック

ガスケットを取り付ける直前の準備が、シールの成否を大きく左右します。

  • 適切なガスケットの選定: 使用する流体の種類、温度、圧力などの条件に適した材質、厚さのガスケットを選定しているか、再度確認してください。選定ミスは、漏れの直接的な原因となります。
  • ガスケット本体の確認: 取り付ける前に、ガスケットに傷、欠け、折れ、汚れがないか必ず確認してください。少しでも異常が見られる場合は使用しないでください。
  • フランジ面の徹底的な清掃: 最も重要な作業の一つです。フランジのシール面に古いガスケットの残りカス、サビ、傷、汚れ、油分などが付着していると、その部分から漏れが発生します。スクレーパーやワイヤーブラシ、清浄なウエスなどを用いて、フランジ面をきれいに清掃してください。
  • ボルト・ナットの確認と潤滑: ボルトやナットにサビや傷がないか確認し、ネジ部には潤滑剤を薄く均一に塗布してください。これにより、締め付け時に正確なトルク管理が可能になります。潤滑剤をガスケットやフランジ面に塗布してはいけません。

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【3. 締結編】最も重要!漏れを防ぐ締め付けの技術

ガスケットのシール性能は、正しい締め付けによって初めて発揮されます。不均一な締め付け(片締め)は、漏れの最大の原因です。

  • センタリング(芯出し): ガスケットをフランジの中心に正確に配置します。偏ったまま締め付けると、面圧が不均一になり漏れの原因となります。
  • 対角締め(星形締め)の実践: ボルトは、必ず対角線上の順番で締め付けます。時計回りや反時計回りに順番に締めると、片締めの原因となります。
  • トルクレンチを使用する: 感覚に頼らず、必ずトルクレンチを使用して規定のトルクで締め付けてください。締め付け不足は当然漏れにつながりますが、締めすぎはガスケットを破壊し、かえってシール性を損なうため危険です。
  • 段階的な締め付け: 最初から一度に目標トルクで締めるのではなく、目標トルクの30%→60%→100%というように、数回に分けて均等に締め付けトルクを上げていきます。各段階で、全てのボルトを対角締めの順序で締め付けます。

【4. 運用・交換編】長期的な安全を確保するために

取り付け後も、適切なメンテナンスが重要です。

  • 増し締めの検討: 運転開始後、特に熱が加わるラインでは、熱によるボルトの伸びやガスケットのなじみにより、締め付けトルクが低下することがあります。初期運転後や定期メンテナンス時に、規定トルクで増し締めを行うことが推奨されます。
  • ガスケットの再利用は厳禁: 一度使用して圧縮されたガスケットは、弾力性や復元性が失われています。見た目がきれいでも、新品同様のシール性能は発揮できません。分解した際は、必ず新しいガスケットに交換してください。コスト削減のために再利用すると、重大な漏洩事故につながる危険性があります。
  • 定期的な点検: 設備の稼働中は、フランジ接合部から漏れや滲みがないか、定期的に目視で点検することが重要です。

まとめ

この記事で解説した、ガスケットの性能を最大限に引き出すための重要ポイントを以下にまとめます。

  • 【保管】 直射日光を避け、変形しないように平らな状態で保管する。
  • 【準備】 使用条件に合ったガスケットを選び、フランジ面を徹底的に清掃する。
  • 【締結】 トルクレンチを使用し、必ず対角線上の順で段階的に締め付ける。
  • 【運用】 一度使用したガスケットは、決して再利用しない。

シートガスケットによる確実なシーリングは、「適切な保管・選定」「丁寧な準備・清掃」「正確な締結作業」という基本の徹底によって成り立ちます。
一つ一つの手順を確実に行うことが、設備の安全稼働を支え、漏洩というリスクを未然に防ぐための鍵となります。本記事の注意事項を参考に、日々のメンテナンス作業にお役立てください。

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