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【バルブ用】グランドパッキンの選び方|漏れを防ぐための材質と重要注意点とは?
【バルブ用】グランドパッキンの選び方|漏れを防ぐための材質と重要注意点
バルブは、プラントや工場の配管ラインにおいて流体を制御する重要な機器です。そのバルブの心臓部である弁棒(ステム)からの漏れを確実に防ぐのが「バルブ用グランドパッキン」の役割です。ここでは、バルブ用パッキンの基本的な知識から、使用条件に応じた正しい選定方法、そしてトラブルを防ぐための重要な注意点までを詳しく解説します。
バルブ用グランドパッキンに求められる性能とは?
バルブの弁棒(ステム)は、ポンプの軸のように常時高速で回転するわけではなく、開閉時にのみ作動します。そのため、回転機器用パッキンに求められる「潤滑性」や「放熱性」よりも、流体を完全にシャットアウトする「高いシール性」が最も重要な性能となります。
- 漏れゼロが基本: わずかな漏れも許されない厳しいシール性が求められます。
- 耐熱・耐圧性: 高温の蒸気や高圧力の流体に耐える必要があります。
- 耐薬品性: 流体の種類に応じた化学的安定性が不可欠です。
- ステムへの低攻撃性: 弁棒(ステム)を傷つけないことも重要な要素です。
材質と構造から選ぶバルブ用パッキン
バルブ用グランドパッキンは、主に「モールドパッキン(成形品)」と「編組パッキン」の2種類に大別されます。これらを単体または組み合わせて使用することで、最高のシール性能を発揮します。
トラブルを防ぐための重要注意点
バルブ用パッキンの性能を最大限に発揮させ、漏れを防ぐためには、取付や取扱いにいくつかの重要なポイントがあります。
選定・取付時のポイント
- 寸法の確認: バルブのステム径に合った正しい幅のパッキンを選定してください。
- リング数の確認: 圧力クラスに応じて、適切なリング数(重ねる数)のパッキンを使用してください。
- 取付前の清掃: ステムやスタフィングボックスに傷や汚れ、錆がないか確認し、清掃してください。
- 正しい挿入: リング状のパッキンは1リングずつ、切口を90度または120度ずつずらしながら挿入します。
- 均等な締め付け: 複数のボルトがある場合は、片締めにならないよう交互に均等に締め付け、ステムを動かしてなじませることが重要です。
使用開始後のメンテナンス
- 高温時の増し締め: 高温で使用する場合、運転開始直後に熱による緩みが発生することがあるため、増し締めを行ってください。
- 漏れ発見時の対応: 少量の漏れを発見した場合は、放置せず速やかに増し締めを行ってください。長期間放置すると漏れ癖がつき、止まらなくなることがあります。
お問い合わせ
バルブ用グランドパッキンの選定は、プラントの安全性と生産効率を維持するために非常に重要です。使用条件に最適な製品が分からない、あるいは現在のパッキンでトラブルを抱えているなど、お困りの際はぜひ専門家にご相談ください。
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