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ガスケットペーストの正しい使い方|シール性能向上と焼き付き防止のコツとは?

ガスケットペーストの正しい使い方|シール性能向上と焼き付き防止のコツ
ガスケットペーストは、ガスケットの性能を補助し、シール性を高めたり、フランジへの焼き付きを防いでメンテナンスを容易にするための重要なアイテムです。しかし、その効果を最大限に引き出すには、流体の種類や目的に応じた適切な製品選びと、正しい使い方が不可欠です。ここでは、バルカー社の製品を例に、ガスケットペースト選定のポイントと使用上の注意点を解説します。
ガスケットペースト選定のポイント
ガスケットペーストは、使用する流体の種類(水系か油系かなど)や温度、目的に合わせて選ぶことが重要です。
製品名 | 主成分 | 主な用途 | 使用温度範囲 |
---|---|---|---|
バルカー No.5 | 油溶性接合剤 + 黒鉛微粒子 | 水系流体、一般ガスなど | -200℃~200℃ |
バルカー No.5M | 油溶性接合剤 + 雲母(マイカ)微粉末 | 水系流体、一般ガスなどで白色を要する場合 | -200℃~200℃ |
バルカー No.6 | 水溶性接合剤 + 黒鉛微粒子 | 油系流体、一般ガスなど | -200℃~900℃ |
バルカー No.6M | 水溶性接合剤 + 雲母(マイカ)微粉末 | 油系流体、一般ガスなどで白色を要する場合 | -200℃~900℃ |
シールペースト (No.SEALPE) | 不乾性油質接合剤 + 無機充填材 | 水・油系流体、一般ガス フランジの隙間腐食防止 |
-50℃~300℃ |
ニューバルフロンペースト (No.PSVO) | ふっ素樹脂粉末の水分散液 | 腐食性流体、酸素ガスなど不燃性を要する場合 | -200℃~300℃ |
【重要】ガスケットペースト使用上の4つの注意点
誤った使用は、かえってシール不良やガスケットの破損を招くことがあります。以下の点を必ず守ってください。
① 塗りすぎは厳禁! 薄く均一に塗布する
ペーストをフランジ接触面に過剰に塗布すると、締め付け時にガスケットが滑ってしまい、圧縮破壊を引き起こす原因となります。特にジョイントシートなどのソフトガスケットでは注意が必要です。必ず、ハケやウエスなどで薄く均一に塗布してください。
② 流体の汚染を嫌うラインには使用しない
食品を取り扱うラインや、医薬品、半導体製造プロセスなど、製品への微量な汚染(コンタミネーション)も許されない箇所には、ガスケットペーストの使用は推奨されません。
③ 酸素ラインには専用ペーストを使用する
酸素ラインに可燃性のペーストを使用すると、重大な事故につながる危険があります。必ず不燃性の「ニューバルフロンペースト」を使用してください(100℃以下)。
④ 防食ガスケットには「シールペースト」を選ぶ
防食性能を持つジョイントシートガスケットに、No.5やNo.6などのペーストを使用すると、その防食効果が失われることがあります。必ず「シールペースト (No.SEALPE)」を使用してください。
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