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導入事例/コラム

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RCF規制とは?安全な代替品AES(生体溶解性繊維)への移行 株式会社ダイコー

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RCF規制とは?安全な高温シールの最適解「生体溶解性繊維」を解説

「自社の高温炉に使われている断熱材、もしかして規制対象の RCF ではないか?」
「800℃を超える高温部のガスケット、安全な代替品が見つからない」
「RCF の管理は手間がかかる。もっと安全で扱いやすい素材はないのか?」…。

2015年11月、高温断熱材の常識を覆す「RCF規制(改正・労働安全衛生法規)」が施行されました。かつて高温断熱材の主流だったRCF(リフラクトリーセラミックファイバー)が、発がん性の疑いから法的な管理対象となったのです 。

この記事では、「RCF規制とは何か」という根本的な問いに答え、なぜRCFが規制され、その代替としてAES(生体溶解性繊維)が最適解とされるのか、その理由を徹底的に解説します。

さらに、具体的な製品選定や複雑な加工でお悩みの方のために、工業用製品の加工メーカーである株式会社ダイコーが提供する【排ガス系メンテナンス カタログ】(無料PDF)をご案内します。

第1部:なぜ今「RCF規制」が問題なのか?

高温断熱材の歴史は、アスベスト(石綿)からRCFへ、そして現在のAES(生体溶解性繊維)へと変遷してきました。この移行の背景には、常に「安全性」の問題がありました。

アスベストからRCFへ

かつて「夢の素材」と呼ばれたアスベストは、その深刻な発がん性により規制されました。その代替として1980年代から普及したのが、アスベストに匹敵する耐熱性(1260℃~1400℃)を持つRCF(リフラクトリーセラミックファイバー)です 。

RCF規制の施行と事業者の重い負担

しかし、RCFもまた、その微細な繊維が発がん性の疑い(IARC グループ2B)があるとして、2015年11月に日本で法規制(特定化学物質)の対象となりました 。

これにより、RCFを取り扱う事業者には、以下のような極めて厳格な管理義務が課せられることになりました 。

  • 発散抑制措置(局所排気装置の設置など)
  • 作業環境測定(6ヶ月に1回、記録30年保存)
  • 特殊健康診断(6ヶ月に1回、記録30年保存)
  • 作業主任者の選任
  • SDS交付およびラベル表示

これらの義務は、事業者にとって非常に大きな管理コストと労力負担となります。そのため、規制対象外のより安全な代替材料への移行が急務となったのです。

第2部:RCF規制の最適解「AES(生体溶解性繊維)」とは?

RCF規制という大きな課題に対する、現在最も有力な解決策がAES(アルカリアースシリケートウール)、通称「生体溶解性繊維」です。

なぜAESは安全なのか? ―「生体溶解性」という特性

AESがRCFの代替となり得た最大の理由、それは「生体溶解性」にあります。これは、万が一、繊維を体内に吸入してしまっても、体液(肺胞液)によって速やかに溶解・分解され、体外へ排出されやすい性質のことです 。

この安全性は国際的にも認められており、EUのCLP規則などでも発がん性分類には当てはまらないと位置づけられています 。

RCFに匹敵する耐熱性能

AESは、安全性が高いだけでなく、耐熱性能もRCFに匹敵します。最高耐熱温度は1100℃~1400℃に達し 、RCFが使用されていた多くの高温設備において、性能を妥協することなく安全なAESへと置き換えることが可能となりました。

第3部:AESをどう使うか?— ダイコーの「D5800」と加工ソリューション

この安全で高性能なAES(生体溶解性繊維)を、実際の高温設備で「ガスケット」や「シール材」として使用できるように製品化したのが、ダイコーの「D5800 生体溶解性クロスガスケット」です。

D5800の構造と特長

  • 800℃耐熱・SUS補強: 基材はRCF規制対応の生体溶解性クロス(安全使用温度800℃)。さらにSUS金属線で補強し、高温下での機械的強度を高めています 。
  • ゴム引き・積層加工: 自社でゴム引き・積層加工を施し、シール性と加工性を付与。これにより、単なる耐熱布ではない、高性能なガスケット材料として仕上げています 。
  • 柔軟性: 織布ならではの柔軟性を持ち、高温設備特有の歪んだフランジ面や凹凸にも追従します。
  • 黒鉛処理(D5800-G): 表面に黒鉛処理を施したタイプもご用意。フランジへの焼き付きを防止し、メンテナンス作業を劇的に容易にします 。

【重要】織布ガスケットの限界

D5800は優れた高温用ガスケットですが、繊維織物であるため完全な気密性は得られません。カタログにも「多少の漏れが許される箇所でのご使用になります」と明記されており 、高圧ガスや真空、有害ガスなど、わずかな漏れも許されない用途には不向きです。ボイラーのマンホールや熱風ダクトなど、低圧下での使用が前提となります。

最終章:答えはここにある。「複雑な選定・加工はダイコーへ」

RCF規制への対応、そして安全なAES(生体溶解性繊維)製品の選定は、時に専門的な判断を要します。

「自社の設備の温度は800℃だが、D5800で本当に大丈夫か?」
「ダクトの形状が非常に複雑で、標準的な額縁形状ではシールできない。図面からカスタム形状で製作してほしい」
「RCF規制対象外のAES材で、電食防止用の絶縁ガスケットを作ることは可能か?」
このような、カタログのスペック表だけでは決して答えの出ない、現場固有の課題。それに対して、50年以上の経験に裏打ちされた専門知識(ノウハウ)と、それを形にする加工技術(ソリューション)の両輪で応えることこそ、工業用製品の加工メーカーである株式会社ダイコーの真価です。

ダイコーでは、お客様の高温設備の使用条件を詳細にヒアリングし、D5800(AESクロス)が最適か、あるいはD5400(ガラスクロス、400℃対応)で十分かなどを的確に判断し、ご提案します。また、ウォータージェット加工機やプロッターを駆使し、図面一枚で1個からオーダーメイド製作が可能です 。

RCF規制への対応や、高温部のシール・断熱に関する具体的な製品選定・加工のご相談は、ぜひダイコーまでお問い合わせください。まずは、関連製品の情報を網羅した下記カタログをご覧ください。

▼RCF規制対応  安全な高温シールの最適解 【基礎ガイド】(PDF)▼

RCF規制とは?安全な代替品AES(生体溶解性繊維)への移行

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