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導入事例/コラム

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EPDMの本質|環境から設備を守る「見えざる保護材」【徹底解説】株式会社ダイコー

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EPDMの本質|環境から設備を守る「見えざる保護材」

私たちが目にする自動車、ビル、そして社会インフラは、常に太陽光、オゾン、雨水といった過酷な環境にさらされています。これらの設備を長期間にわたり機能させるためには、環境要因から内部を保護する「保護材」が不可欠です。その重要な役割を担うのが、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)です。

この記事では、EPDMがなぜ現代社会の「見えざる保護材」として不可欠なのか、その核心的な性能を物性データから再定義します。その上で、この優れた保護材を実際の部品として機能させるための選定・加工ソリューションを、専門商社ダイコーと共に提案します。

第1部:保護材としての核心性能 – EPDMの化学的安定性

EPDMは、化学的には「エチレン・プロピレン 共同合体(三元共重合体)」から成り、その分子構造は非常に安定しています。この安定性こそが、EPDMの優れた保護性能の源泉です。物性表が示す通り、「耐老化性、耐オゾン性、極性液体に対する対抗性、電気的性質が良い」という特徴を持ちます。

特に、その環境耐久性は他のゴム材料を圧倒します。

卓越した環境遮断能力

耐老化性、耐オゾン性、耐候性の3項目すべてで、最高評価の「◎(すぐれている)」を獲得しています。これは、太陽光(紫外線)やオゾンによる化学的攻撃、風雨による物理的影響に対して極めて劣化しにくく、長期間にわたり保護対象を守り続ける能力を持つことを意味します。

優れた電気的保護性能

体積固有抵抗が10¹³~10¹⁵ Ω·cmと非常に高く、優れた電気絶縁体として機能します。この特性は、屋外で使用される電線やケーブルを、短絡や漏電のリスクから保護するために不可欠です。

第2部:適用領域の明確化 – EPDMの「得意」と「不得意」

EPDMを保護材として正しく使用するには、その適用領域、つまり得意な環境と、絶対に使用してはならない不得意な環境を明確に区別する必要があります。

得意な環境(水系・極性液体)

EPDMは、水、水蒸気、ブレーキ液、アルコールといった**「極性液体」**に対して優れた耐性を発揮します。また、**耐熱温度120℃、耐寒温度-40℃~-60℃**という広い温度範囲を持ち、高温の温水から寒冷地の雪解け水まで、幅広い「水系」の環境で安定した性能を維持します。

不得意な環境(油系・非極性液体)

EPDMの選定における絶対的なルールは、**「油に接触させない」**ことです。ガソリンや灯油、鉱物油などの非極性液体に触れると、著しく膨潤・劣化し、保護材としての機能を完全に失います。

その他の制約: 耐摩耗性は「△(あまりよくない)」、耐炎性と耐放射線性は「X(わるい)」と評価されており、激しい摩擦や火気、放射線が存在する環境には適していません。

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第3部:用途事例 – 社会インフラを支える保護材

EPDMの用途は、その優れた保護性能が社会の基盤を支える分野に集中しています。

代表的な用途

  • 建築インフラの保護: 建物の屋上防水シートや窓枠の気密・水密性を保つガスケットとして、構造物を風雨から守ります。
  • 輸送インフラの保護: 自動車のドアや窓枠のシール材(ウェザーストリップ)として車内への水や騒音の侵入を防ぎ、ラジエーターホースとして高温の冷却水からエンジンを守ります。
  • 生活インフラの保護: 屋外用電線の絶縁被覆材として電力網を、また水道設備のパッキンとして私たちの生活用水を守っています。

第4部:素材から高機能部品へ – ダイコーの加工・選定ソリューション

EPDMは優れた「保護材」ですが、その真価は、保護対象に合わせて精密に加工された「保護部品」となって初めて発揮されます。また、油環境が避けられない場合はNBR、さらに高温の環境ではシリコンゴムなど、状況に応じた適切な材料の選定が不可欠です。

「屋外で使う防水パッキンを、この図面通りに高精度で製作したい」
「温水と蒸気がかかるこの部分に、EPDMは本当に最適か相談したい」
「油と水が混在する環境で使える、最適なゴム材料を提案してほしい」
株式会社ダイコーは、こうしたお客様の課題に対し、材料のプロとして、また加工のプロとしてお応えします。最新のカッティングプロッターやウォータージェット加工機を駆使し、図面に基づいた高精度なEPDM製品を1枚から製作。さらに、専門知識豊富なスタッフがお客様の使用条件を深く理解し、EPDMを含む多様な選択肢の中から、コストと性能を両立させた最適なソリューションを提案します。
ゴム製品の選定・加工に関するあらゆるお悩みは、ぜひ私たち専門家にご相談ください。

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