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バルカーNo.GF300|耐薬品・耐熱性を両立した最高峰PTFEガスケット 株式会社ダイコー【徹底解説】
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バルカーNo.GF300|耐薬品・耐熱性を両立した最高峰PTFEガスケット【徹底解説】
「100℃以上の水蒸気や・油といったユーティリティライン、化学薬品を扱う配管ラインで、より高い信頼性で対応したい」「高温下でもクリープ(へたり)が少ない、長期安定性に優れたガスケットが欲しい」…化学プラントや半導体製造、医薬品プロセスといった極めて過酷な環境下では、一般的なふっ素樹脂(PTFE)ガスケットでは性能が追いつかない場面が存在します。
こうした最高レベルの要求に応えるため、株式会社バルカーが長年のシール技術を結集して開発したのが、高機能ふっ素樹脂ガスケットのフラッグシップモデル「No. GF300」です。
この記事では、GF300がなぜ「最高峰」と称されるのか、その性能を支える独自の材料技術から、安全に使用するための重要な注意事項まで、専門的な視点から徹底的に解説します。
第1部:No. GF300の核心 ― なぜこれほど強く、安定しているのか?
GF300の卓越した性能は、PTFEをバインダーに使用したことにより、耐薬品性や耐熱性に優れています。ゴムを含んでいないため、熱によるゴム材の硬化劣化・経時劣化が生じないので増締めが可能です。
性能を支える主要構成材料
GF300は、化学的に極めて安定なPTFEを主成分としながら、充填材としてシリカ、黒鉛を採用しています。しかし、単に混合するだけではありません。
- PTFE(ふっ素樹脂): ベースポリマーとして、ほぼ全ての化学薬品に対する優れた耐薬品性を担保します。
- シリカ : 特殊処理された高純度のシリカを充填材として使用。シリカは硬質で化学的にも安定しており、PTFEの分子構造に入り込むことで、骨格材として機能します。
この独自のコンパウンド技術により、PTFEの弱点であった「クリープ(応力緩和)」と「高温下での強度低下」を克服し、他のPTFEガスケットとは一線を画す性能を実現しています。
GF300がもたらす4つの卓越したメリット
- 1. 優れた耐薬品性: PTFEを主成分としているため、各種有機溶剤といった、腐食性の高い流体に対して、広範な耐性を発揮します。100℃以上の蒸気・油などの条件にも安定した性能を発揮します。(ただし、PTFEを侵す溶融アルカリ金属や高温高圧下のフッ素ガスには使用できません。)
- 2. 卓越した耐クリープ特性: GF300の最大の特長です。充填されたシリカがPTFEの流動を強力に抑制するため、締め付け後の面圧低下が極めて少なく、長期にわたり安定したシール性能を維持します。これにより、増し締めの頻度を大幅に削減し、メンテナンスコストの低減に貢献します。
- 3. 高温下での高い信頼性: P-T線図が示す通り、最高300℃までの高温域に対応します。耐熱性に加え、高温下での耐クリープ特性も優れているため、熱サイクルが頻繁にかかる過酷な条件下でも、安定したシールを実現します。
- 4. ピュア・クリーン性: 有機顔料を含まず、また特殊な製造プロセスにより、ガスケットからの溶出物(パーティクルやイオン)が極めて少ない設計となっています。これにより、コンタミネーションを嫌う半導体、液晶、医薬品、食品製造プロセスにも安心して使用できます。

第2部:GF300の性能を100%引き出すための選定・施工上の注意点
GF300は極めて高性能なガスケットですが、その能力を完全に引き出すためには、いくつかの重要なポイントを遵守する必要があります。
【最重要】禁忌流体の厳守
GF300は広範な耐薬品性を持ちますが、PTFEを侵す一部の特殊な流体には使用できません。
【警告】溶融アルカリ金属・高温高圧下のフッ素ガスには絶対に使用しないでください。
これらの流体はPTFEの分子構造そのものを破壊するため、重大な事故につながる可能性があります。適用可否が不明な場合は、必ずメーカーまたは専門家にご確認ください。
締付管理とフランジ状態
- トルク管理の徹底: GF300は高い締付面圧に耐えることができますが、性能を安定して発揮させるためには、トルクレンチを用いた均一な締め付けが不可欠です。対角線上に数回に分けて締め付ける「スターパターン(対角締め)」を厳守してください。
- フランジ面の清浄化: 高度なシール性を実現するため、フランジ面は清浄で、傷や凹凸がない状態であることが理想です。取り付け前には、必ずフランジ面の清掃と状態確認を行ってください。
- ガスケットペーストについて:ガスケットペーストを使用する際はニューバルフロンペーストを使用して下さい。No.6、No.6Mは馴染みが悪いために推奨しません。
第3部:複雑な選定・加工はダイコーにご相談ください
GF300は、その卓越した性能から、化学的・熱的に最も厳しい条件が求められるプラントの心臓部で採用されます。それゆえ、その選定には極めて高度な知見と経験が求められます。
「複数の腐食性ガスが混在するラインだが、GF300で本当に問題ないか?」
「ガラスライニングフランジに使用したいが、フランジを傷つけずにシールできるか?」
「半導体製造装置のチャンバー用に、超高純度洗浄を施した特殊形状のガスケットが欲しい」
このような、カタログの標準情報だけでは判断できないクリティカルな場面や、特殊な加工・仕上げが要求されるケースでは、決して自己判断せず、ぜひ私たちガスケットのプロフェッショナル、ダイコーにご相談ください。
なぜ、複雑な選定・加工はダイコーに任せるべきなのか?
- 専門的な製品選定サポート: 私たちは、バルカーの高機能シートガスケットシリーズ(GF, SF, MF, UF)それぞれの長所と短所を深く理解しています。お客様の使用条件を詳細にヒアリングし、GF300が最適か、あるいは別の高機能シートがより適しているかなど、安全性とコストパフォーマンスを両立させた最適なシールソリューションをご提案します。
- 高精度なオーダーメイド加工: 自社工場に最新のカッティングプロッターやウォータージェット加工機を完備。お客様からいただいた図面(CADデータ)を基に、あらゆる複雑な形状のガスケットを、1枚からでも迅速かつ高精度に製作いたします。
- 信頼できる技術パートナーとして: ガスケットの選定ミスは、プラントの安定稼働を脅かす重大なリスクです。私たちは単なる販売店ではなく、お客様の課題を共に解決する技術パートナーとして、専門的な知見で皆様のプラント運営をサポートします。
製品に関するお問い合わせ
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