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導入事例/コラム

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バルカーNo.6502 耐熱・耐蒸気ガスケット選定ガイド|黒いシートの真価 株式会社ダイコー【選定ガイト】

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バルカーNo.6502 耐熱・耐蒸気ガスケット選定ガイド|黒いシートの真価【選定ガイト】

「蒸気ラインで標準的なガスケットを使ったら、すぐに硬化して漏れてしまった」「ボイラー周りのメンテナンス周期を、もっと延ばしたい」…こうした、特に高温の蒸気や熱水が関わる現場の切実な課題に応えるため、株式会社バルカーが開発した高機能ジョイントシートが「No.6502 ブラックハイパー」です。

この記事では、No.6502がなぜ過酷な熱水・蒸気ラインで絶大な信頼を得ているのか、その性能を支える材料技術から、安全に使用するために絶対に守るべき締付管理、そして特殊な加工への対応まで、専門的な視点から徹底的に解説します。

第1部:No.6502の核心 ― なぜ熱と蒸気に強いのか?

No.6502は、一般的なジョイントシート(No.6500など)が抱える「100℃以上での熱による硬化劣化」という弱点を克服するために設計された、特殊な耐熱グレードです。その秘密は、厳選された構成材料と独自の配合技術にあります。

性能を支える主要構成材料

No.6502の卓越した性能は、以下の材料の相乗効果によって生まれます。

  • カーボン繊維(炭素繊維): ガスケットに極めて高い強度と、何よりも優れた耐熱性を与える骨格材料です。高温下でも強度低下が少なく、熱による寸法変化も小さいため、ガスケットの安定性を維持します。
  • 特殊耐熱性ゴム: 一般的なNBR(ニトリルゴム)に代わり、熱による硬化や劣化が起きにくい特殊なゴムをバインダーとして採用。これにより、「100℃の壁」を越える高温域でも、ガスケットの柔軟性とシール追従性を長期間保つことができます。
  • 耐熱性無機充填材: 材料の体積を確保し、全体の耐熱性能をさらに高める役割を担います。

No.6502がもたらす主な特長

  • 卓越した耐熱・耐蒸気性: P-T線図が示す通り、熱水ラインで最高214℃(2.0MPa)まで使用可能です。これは、標準的なジョイントシートが不得意とする領域を完全にカバーする性能です。
  • 優れた応力緩和特性: 特殊耐熱性ゴムとカーボン繊維の組み合わせにより、高温下でのクリープ(締付力の低下)が非常に少なく、長期にわたるシール安定性を実現します。これにより、メンテナンス周期の延長とライフサイクルコストの削減に大きく貢献します。
  • 良好な固着防止性: 主成分であるカーボン繊維の特性により、フランジへの固着が起こりにくく、メンテナンス時のガスケット交換作業を容易にします。

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第2部:No.6502の性能を100%引き出すための重要注意事項

No.6502はその優れた耐熱性から、厳しい条件下で使用されることが多いガスケットです。そのため、その性能を確実に引き出し、安全を確保するためには、正しい知識に基づいた施工管理が不可欠となります。

締付管理:過剰な締め付けは「圧縮破壊」の元

No.6502は高い強度を持ちますが、ジョイントシートである以上、許容される締付面圧には上限があります。過剰な力での締め付けは、ガスケットの内部構造を破壊する「圧縮破壊」を引き起こし、かえって漏洩の原因となります。

  • 許容締付面圧の遵守: 必ずトルクレンチを使用し、カタログに記載されている許容締付面圧(例:1.5tで40MPa)を超えないように厳密に管理してください。
  • 均一な締め付けの徹底: ボルトを対角線上に数回に分けて締め付ける「スターパターン(対角締め)」を必ず実践してください。「片締め」は応力集中を招き、圧縮破壊の最大の要因となります。

増し締め(リ・トルク)に関する注意点

No.6502は熱による硬化が少ないため、運転後の増し締めが可能です。しかし、安全上の重要なルールが存在します。

【重要警告】高温状態での増し締め(ホットボルティング)は原則禁止
高温状態では、ガスケットだけでなくボルトやフランジも熱膨張しており、部材の機械的特性も常温時とは異なります。この状態での増し締めは、過締め付けによるガスケットの破壊や、ボルト・フランジへの過剰な負荷を引き起こす危険性があります。増し締めは、原則として**常温まで冷却してから**実施してください。

第3部:複雑な選定・加工はダイコーにご相談ください

No.6502は、高温のユーティリティーラインにおける信頼性の高い選択肢です。しかし、プラントの条件は千差万別であり、カタログの標準情報だけでは判断に迷う場面も少なくありません。

「蒸気と薬品が混在するラインだが、No.6502の耐薬品性で十分だろうか?」
「熱サイクルが非常に激しい。ジョイントシートではなく、うず巻形ガスケットを検討すべきか?」
「古い海外製の熱交換器に合う、特殊な形状のガスケットを至急で製作してほしい」
このような、より高度な技術的判断や、シート材からの精密な加工が必要となる場面では、ぜひ私たちガスケットのプロフェッショナル、ダイコーにご相談ください。

なぜ、複雑な選定・加工はダイコーに任せるべきなのか?

  • 専門的な製品選定サポート: 私たちは、バルカー製品をはじめ、ニチアス、日本ピラーなど国内外のあらゆるガスケットを熟知しています。お客様の使用条件を詳細にヒアリングし、メーカーの垣根を越えて、安全性とコストを両立させた真に最適なソリューションをご提案します。
  • 高精度なオーダーメイド加工: 自社工場に最新のカッティングプロッターやウォータージェット加工機を完備。お客様からいただいた図面(DXF, CADデータ)や、現物のサンプルからでも、あらゆる複雑な形状のガスケットを、1枚からでも迅速かつ高精度に製作いたします。
  • 信頼できる技術パートナーとして: ガスケットの選定ミスは、プラントの安定稼働を脅かす重大なリスクです。私たちは単なる販売店ではなく、お客様の課題を共に解決する技術パートナーとして、専門的な知見で皆様のプラント運営を力強くサポートします。

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