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導入事例/コラム

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【現場向け】Oリング取扱いの基本とトラブル対策|正しい使い方で漏れを防ぐ

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【現場向け】Oリング取扱いの基本とトラブル対策|正しい使い方で漏れを防ぐ

Oリングは、そのシンプルさ、種類の豊富さ、そして経済性から、あらゆる産業で不可欠なシール部品です。しかし、その性能を最大限に引き出すには、設計から保管、取付けに至るまで、正しい知識に基づいた取扱いが欠かせません。この記事では、Oリングの性能を長く維持し、漏れなどのトラブルを未然に防ぐための、実践的なノウハウを解説します。

設計の基本:圧縮率(つぶししろ)の考え方

Oリングのシール性能は、溝に装着された際の「つぶししろ(圧縮率)」によって決まります。この値が不適切だと、漏れやOリングの早期劣化に繋がります。

一般的な圧縮率は、Oリングの線径(太さ)に対して8~30%の範囲で設計されますが、用途によって最適な値は異なります。

圧縮率(%) = (Oリング線径 - 溝深さ) ÷ Oリング線径 × 100

  • 固定用(静的シール): フランジの歪みなども考慮し、比較的大きめの圧縮率を設定します。
  • 運動用(動的シール): 圧縮率が大きすぎると摺動抵抗が増え、摩耗が早まる原因になります。そのため、シール性を確保できる必要最小限の圧縮率に設定するのがポイントです。

トラブルを未然に防ぐ!取扱い・保管の重要注意点

Oリングは精密なゴム部品です。性能を維持するため、日々の取扱いと保管方法には細心の注意が必要です。

取付け時の注意点

  • 傷つけない: ネジ山やシャープエッジで傷つけないよう、必要に応じて治具を使用する。
  • ねじらない: 装着時にねじれが生じないよう、均等にはめ込む。
  • 潤滑する: Oリングと溝にグリース等を塗布すると、装着がスムーズになり、ねじれや傷を防止できる。
  • 再利用しない: 一度使用したOリングは変形しているため、原則として再使用しない。

保管時の注意点

  • 光と熱を避ける: 直射日光や高温の熱源を避け、冷暗所で保管する。
  • 変形させない: 吊り下げたり、上に物を置いたりせず、応力のかからない状態で保管する。
  • 清浄に保つ: 包装したまま、ホコリや油が付着しない清潔な場所で保管する。
  • ロット管理: ロット番号を記録し、トレーサビリティを確保しておく。

【現場で役立つ】Oリングの不具合例と対策

Oリングに発生するトラブルには、特徴的な兆候が現れます。原因を正しく特定し、適切な対策を講じることが重要です。

現象と原因 対策
膨潤・抽出
Oリングがふやけて大きくなったり、逆に硬く小さくなる。
原因:使用流体とゴム材質の相性が悪い。
流体に適合するゴム材質に変更する。
永久変形
Oリングが潰れたまま元の形状に戻らない。
原因:使用温度が高すぎる、または圧縮率が大きすぎる。
耐熱性の高い材質に変更するか、溝寸法を見直して圧縮率を適正化する。
はみ出し
Oリングがちぎれたようになっている。
原因:高圧により、溝と機器の隙間からOリングがはみ出してせん断された。
隙間を小さくするか、より硬度の高いOリングに変更する。またはバックアップリングを併用する。
ねじれ
Oリングがねじれて装着されている。
原因:溝の加工精度が悪い、または装着時にねじれた。
溝の寸法や仕上げ面を均一にする。装着時に十分な潤滑を行う。
摩耗
摺動方向(動く方向)に擦り減っている。
原因:相手面の仕上げが粗い、潤滑が不足している、または異物が侵入した。
相手面の表面仕上げを滑らかにする。潤滑を改善する。異物侵入を防ぐ対策を講じる。

お問い合わせ

Oリングの選定や取扱い、トラブル対策は、機器の性能と安全を左右する重要な要素です。お困りの際はお気軽にご相談ください。専門知識豊富なスタッフが、お客様の状況に最適なソリューションをご提案します。

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