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Oリングとは?規格・材質・溝設計から選ぶ【完全ガイド】

Oリングとは?規格・材質・溝設計から選ぶ【完全ガイド】
Oリングは、産業用シール材の中で最も広く使用される部品のひとつです。本ページでは、ゴム材質・規格寸法・密封機構・取付設計・はみ出し防止・バックアップリングの選定まで、Oリングに関するあらゆる情報を体系的にまとめました。Oリングの基礎から実践的な設計・使用ノウハウまでを網羅しています。
1. Oリングの基本構造と密封原理
Oリング(オーリング)は、断面がO形をしたゴム製のシール部品です。装着される溝の中で適度に圧縮(つぶししろ)されることで、その反発力によって初期の密封状態を保ちます。
内部から圧力が加わると、Oリングはその圧力によって溝の片側に押し付けられて変形し、接触面の圧力をさらに高めます。これにより、圧力が高いほどシール性能も向上するという、セルフシール機構が働きます。このシンプルな構造と確実な性能から、油圧・空圧機器から自動車、半導体製造装置まで、あらゆる産業分野で不可欠な部品となっています。
2. Oリングの規格と選び方
Oリングは国内外の様々な規格で標準化されており、用途に応じて適切なシリーズを選定する必要があります。
3. Oリングの材質選定
Oリングの性能は材質によって大きく左右されます。使用する流体、温度、圧力などの環境条件に合わせて最適なゴム材質を選定することが極めて重要です。
4. トラブルを防ぐための重要注意点
Oリングのトラブルは、多くの場合、不適切な設計や取扱いに起因します。
設計・取付時のポイント
- 溝設計: Oリングの性能は溝の設計で決まります。つぶししろ(圧縮率)、充填率、溝の表面粗さなどを規格に沿って適切に設計してください。
- はみ出し対策: 圧力が高い場合、Oリングが溝のすきまからはみ出して損傷することがあります。この現象を防ぐため、材質を硬いものに変更するか、「バックアップリング」を併用してください。
- ねじれ対策: 装着時や往復運動時にOリングがねじれると、漏れの原因になります。適切な潤滑剤の使用や、正しい溝設計で防止します。
- 保管方法: 直射日光やオゾンを避け、冷暗所で保管することで、ゴムの劣化を防ぎます。
お問い合わせ
Oリングの選定は、機器の性能と寿命を左右する重要な作業です。規格の選定、材質の相談、溝設計に関するアドバイスなど、お困りの際はお気軽にご相談ください。専門知識豊富なスタッフが、お客様の状況に最適なソリューションをご提案します。
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