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【図解】Oリング・ガスケット・パッキンの違いとは?役割と用途をプロが解説

【図解】Oリング・ガスケット・パッキンの違いとは?役割と用途をプロが解説
Oリング、ガスケット、パッキンは、いずれも機械や配管の隙間を埋め、液体や気体の漏れを防ぐために不可欠な「シール部品」です。しかし、これらの名前はよく聞くものの、その明確な違いや正しい使い分けを説明できる方は少ないかもしれません。この記事では、それぞれの部品の役割、形状、そして主な用途の違いを、図を交えながら分かりやすく解説します。
Oリング・ガスケット・パッキンの違い早見表
まずは、3つのシールの違いを一覧で比較してみましょう。
Oリング | ガスケット | パッキン | |
---|---|---|---|
主な用途 | 固定・運動の両用 | 固定用(動かない部分) | 運動用(動く部分) |
形状 | 断面が円形(O型)のリング | シート状(平面) | 立体的(U字、V字など多様) |
使われる場所の例 | 油圧・空圧機器、自動車、家電製品 | 配管フランジ、エンジンヘッド | ポンプの軸、シリンダーのピストン |
ガスケットとは? | 動かない部分(固定用)のシール
ガスケットは、動かない二つの部品の間に挟み込んで使用するシール部品です。主に、配管をつなぐ「フランジ」や、エンジンのシリンダーヘッドとブロックの間など、完全に固定された接合面に使用されます。部品同士の微細な隙間を埋めることで、内部の液体やガスが外部に漏れ出すのを防ぎます。接合面の形に合わせて作られたシート状のものが多く、「面」でシールするのが最大の特徴です。

パッキンとは? | 動く部分(運動用)のシール
パッキンは、ピストンの往復運動や、ポンプ・バルブの回転運動など、動きのある部品に使用されるシール部品です。運動部分の隙間から流体が漏れるのを防ぐ役割を担います。運動による摩耗に耐える必要があり、Oリング、Uパッキン、Vパッキンなど、運動の種類や圧力の条件に応じて様々な立体的な形状が存在するのが特徴です。

Oリングとは? | ガスケットにもパッキンにもなる万能シール
Oリングは、その名の通り断面が「O」の形(円形)をしたリング状のシールです。素材の持つ弾力性を利用し、溝にはめ込んで圧縮されることで高い密封性を発揮します。Oリングの最大の特徴は、その汎用性の高さにあります。
- 固定用として使われる場合 → ガスケットの一種
- 運動用として使われる場合 → パッキンの一種
このように、Oリングは用途に応じてガスケットにもパッキンにも分類されます。構造がシンプルで安価、かつ省スペースで優れたシール性能を持つため、自動車、油圧・空圧機器、水道の蛇口、家電製品まで、非常に幅広い分野で活躍しています。

【結論】簡単な覚え方は「静のガスケット、動のパッキン」
これらの違いを覚える最も簡単な方法は、「静止している場所(動かない)のシールはガスケット」、「運動している場所(動く)のシールはパッキン」と区別することです。そしてOリングは、その両方の役割をこなせる非常に便利なシール部品だと覚えておきましょう。
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