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導入事例/コラム

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ゴムガスケット・パッキン選定ガイド NR, NBR, EPDMからフッ素ゴムまで9種の材質を徹底比較 株式会社ダイコー

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ゴムガスケット・パッキン選定ガイド
NR, NBR, EPDMからフッ素ゴムまで9種の材質を徹底比較

「水ライン用の、最も標準的で安価なパッキンは?」
「油がかかる場所で使えるゴムはどれ?」
「屋外で使うシール材が、太陽光ですぐにボロボロになってしまう」
「高温の蒸気に耐えられるゴムが欲しい」…。

設備の性能と安全性を支える「ゴムガスケット・パッキン」。しかし、「ゴム」と一括りに言っても、その種類は多岐にわたり、それぞれが全く異なる個性(耐油性、耐候性、耐熱性など)を持っています。もし、この選定を誤れば、「油でゴムが膨潤した」「オゾンでひび割れた」といった深刻なトラブルに直結します。

この記事では、主要な9種類のゴム材質の特性を比較・解説し、お客様の用途に最適な一品を選び出すための「選定ガイド」の基礎をお届けします。

より詳細な「物性表」や「用途別」を網羅した完全版は、株式会社ダイコーがご用意した【ゴム・スポンジ選定ガイド】(無料PDF)で詳しくご紹介します。

第1部:基本のキ —「ゴムパッキン」と「スポンジパッキン」の根本的な違い

まず、混同されがちな「ゴム」と「スポンジ」の基本的な違いを理解することが、正しい選定への第一歩です。

ゴムパッキン(ソリッドゴム)

  • 構造: 内部に空洞のない、緻密な(ソリッドな)ゴム材料です 。
  • 特性: 力を加えても体積はほとんど変わらない「非圧縮性」が特徴です。形状が変化することで反発力を生み出します。
  • 主な用途: 圧力がかかる配管フランジや機器のガスケット、Oリングなど、流体を封止(シール)する用途に適しています。

スポンジパッキン

  • 構造: 原料ゴムに発泡剤を加えて製造され、内部に無数の独立した気泡を持つ多孔質な材料です 。
  • 特性: ゴムとは対照的に「圧縮性」に優れ、軽い力で大きく変形するのが特徴です。
  • 主な用途: このクッション性を活かし、防水・防塵・気密といった、圧力がほとんどかからない箇所の隙間埋め(例:制御盤の扉、窓枠)に使用されます 。

【選定の鉄則①】
圧力がかかる流体(水、油、ガスなど)を止める場合は「ゴムパッキン」を、隙間を埋めるクッション性や防塵・防水が目的の場合は「スポンジパッキン」を選定します。

第2部:【最重要】ゴムガスケットの圧力限界と、その先の選定

ゴムパッキンは、その優れた弾性により低い締付力でもシール性を発揮しますが、圧力に対する耐性には限界があります。

【選定の鉄則②】ゴムシートの使用圧力は「1MPa 以下」が目安

ダイコーの総合カタログにも明記されている通り、一般的なゴムシートガスケットの使用圧力は「1MPa (10kgf/cm²) 以下」が目安となります 。

使用圧力が1.0MPaを超える場合、ゴム材料の強度や耐クリープ性では対応が難しくなり、ガスケットが圧力で押し出されたり、長期的なシール性能を維持できなくなるリスクが高まります。

そのため、使用圧力が1.0MPa以上の場合は、ゴムガスケットの使用を避け、より高い耐圧性を持つ「ジョイントシート」や「膨張黒鉛ガスケット」、「うず巻形ガスケット(セミメタルガスケット)」の使用を強く推奨します。

第3部:【材質選定編】用途から最適解を導く!9大ゴム材質の特性比較

使用圧力が1.0MPa以下の領域であれば、ゴムガスケットはその特性を最大限に発揮します。ここでは、現場で最もよく使用される9種類の「ゴム」材質について、その個性と最適な用途を簡潔に比較・解説します。

材質 (略称) 主な特長 主な弱点 主な用途
天然ゴム (NR) 機械的強度◎、弾性◎ 耐油性×、耐候性× 防振ゴム、緩衝材
スチレンゴム (SBR) NRに似る、耐摩耗性○ 耐油性×、耐候性× 汎用パッキン
ウレタンゴム (U) 機械的強度・耐摩耗性◎◎ 耐熱性△、耐水性△ 高負荷ローラー、スクレーパー
ニトリルゴム (NBR) 耐油性◎◎ 耐候性×× オイルシール、耐油パッキン
クロロプレンゴム (CR) 耐油性○、耐候性○ (バランス型) 特になし (突出した性能なし) 屋外用、一般工業用
EPDM 耐候性◎◎、耐薬品性○ 耐油性×× 屋外用、水道水用パッキン
ブチルゴム (IIR) 気体透過性◎◎ (ガスを通しにくい) 耐油性×、機械的強度△ ガスシール、タイヤチューブ
シリコーンゴム (Q) 耐熱性◎ (~200℃)、クリーン性◎ 機械的強度×× (弱い) 食品・医療用、耐熱パッキン
ふっ素ゴム (FKM) 耐熱性◎◎ (~250℃)、耐油・耐薬品性◎◎ 高価、耐寒性△ 化学プラント、半導体製造装置

第4部:選定のポイントと、ダイコーのソリューション

ここまで見てきたように、「ゴム」と一口に言っても、その特性は千差万別です。

  • 油が最優先ならNBR
  • 屋外(天候)が最優先ならEPDM
  • 高温(~200℃)でクリーンならシリコーンゴム
  • 高温(~250℃)で油も薬品もならフッ素ゴム
  • 機械的強度が最優先ならウレタンゴム

このように、「どの性能を最優先し、どの性能を妥協するか」を明確にすることが、最適なゴム材質選定の鍵となります。

「高温で、油も蒸気も薬品もかかる…」
「規格にない特殊な形状のパッキンが1枚だけ必要だ」
「より詳細な耐薬品性データや、メーカー間の品番対比表が見たい」

このような、本記事だけでは解決できない複雑な課題や、より詳細な技術データについては、ダイコーがご用意した無料ガイドブックをご覧ください。

また、50年以上の経験を持つ「加工メーカー」として、お客様の課題をヒアリングし、最適な材質の選定から、国内最大級のウォータージェット加工機 をはじめとする多彩な設備での精密加工まで、ワンストップでソリューションをご提供します。

材質の選定に迷ったとき、特殊な加工が必要なとき。その答えは、常にここにあります。複雑な選定・加工はダイコーへ — まずは下記より詳細ガイドをダウンロードして、お気軽にご相談ください。

▼【メーカー対比表・耐薬品性データ付】ゴム・スポンジ選定 完全ガイド(PDF)▼

9大ゴム材質の詳細比較、スポンジ材との違い、物性表まで網羅!

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