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RCF規制とは?健康リスクと代替品(生体溶解性セラミックファイバー)を解説

RCF規制とは?健康リスクと代替品(生体溶解性セラミックファイバー)を解説
RCF規制とは、2015年11月1日に施行された改正労働安全衛生法に基づき、リフラクトリーセラミックファイバー(RCF)を取り扱う作業者の健康障害を防止するための規制です。これにより、RCFは特定化学物質(管理第2類物質)に指定され、事業者は厳格なばく露防止措置を講じる義務が課せられました。
RCF(リフラクトリーセラミックファイバー)とは?なぜ規制されたのか
RCFは、アルミナやシリカを主成分とする人工の鉱物繊維で、非常に優れた耐熱性・断熱性を持つため、工業炉の断熱材や高温部のシール材として広く使用されてきました。しかし、その繊維がアスベスト(石綿)と同様に極めて細かく、呼吸によって肺の奥深くまで吸入されると、長期的に体内に残留し、深刻な健康被害(肺がんなど)を引き起こす可能性が指摘されています。国際がん研究機関(IARC)も、RCFを「人に対して発がん性がある可能性がある物質(グループ2B)」に分類しており、こうしたリスクから法的な規制対象となりました。
RCF規制の具体的な内容
RCFが特定化学物質(管理第2類)に指定されたことで、事業者は主に以下のような措置を講じる必要があります。
- RCF含有製品の容器や包装へのラベル表示、および安全データシート(SDS)の交付義務
- 作業環境におけるRCFの粉じん濃度を管理基準値以下に保つための発散抑制措置(局所排気装置の設置など)
- 定期的な作業環境測定とその記録の保存
- RCFを取り扱う労働者に対する特殊健康診断の実施
- 作業主任者(特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者)の選任
安全な代替品「生体溶解性セラミックファイバー(BSF)」とは?
RCF規制に対応する安全な代替品として注目されているのが、生体溶解性セラミックファイバー(BSF: Bio Soluble Fiber)です。BSFは、RCFと同等の優れた耐熱性・断熱性を持ちながら、その化学組成により、万が一吸入しても体液に溶解し、比較的短期間で体外へ排出されるという大きな特長があります。このため、健康リスクが大幅に低減されており、労働安全衛生法上の特定化学物質には該当しません。
ダイコーでは、このRCF規制に対応するため、いち早く従来のセラミック製品を、より安全な生体溶解性セラミックファイバー(BSF)へと全面的に切り替えました。
ダイコーのRCF規制対応製品「D5800」
長年の技術と自社工場での一貫生産体制を活かし、安全なBSFを基材とした多様な製品を開発・製造しています。中でも、高機能製品「D5800」は、RCF代替の決定版として多くのお客様にご採用いただいています。
D5800 (生体溶解性セラミッククロス)

- 特長: SUS金属線で補強した生体溶解性セラミッククロスに天然ゴムを塗布・成型したガスケット。ゴム引き加工により、繊維の飛散を抑制しつつ、加工性も向上。複雑な形状にも対応可能です。
- 厚み: t2.0mm, t4.0mm~ (1プライ t2.0mm)
- 安全使用温度: 800℃
RCF規制への対応や、より安全な作業環境の構築でお困りの際は、ぜひダイコーにご相談ください。
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