記事公開日
最終更新日
アスベスト製品はいつから禁止?日本の規制の歴史と今後の対策を解説

アスベスト製品はいつから禁止?日本の規制の歴史と今後の対策を解説
日本におけるアスベスト(石綿)含有製品は、2006年9月1日に原則として製造・使用などが禁止され、一部の例外を除き市場から姿を消しました。そして、猶予措置が取られていた製品も含め、2012年3月1日に完全に禁止されました。
しかし、規制は段階的に強化されてきたため、過去に製造・使用されたアスベスト製品は、今も私たちの身近な建物や設備に数多く残存しています。ここでは、アスベスト規制の歴史と、現在求められる対策について詳しく解説します。
アスベスト(石綿)とは?その危険性
アスベスト(石綿)は、天然の繊維状鉱物で、耐熱性、耐久性、耐薬品性に優れることから「奇跡の鉱物」と呼ばれ、かつては建材や工業製品に広く利用されてきました。しかし、その繊維は極めて細かく、空気中に飛散しやすい性質があります。人が吸い込むと肺の組織に長く留まり、肺がんや中皮腫といった深刻な健康被害を引き起こすことが明らかになっています。
日本におけるアスベスト禁止・規制の歴史
日本のアスベスト規制は、その危険性に応じて段階的に強化されてきました。
1975年5重量%を超える石綿の吹き付け作業が原則禁止
これが日本におけるアスベスト規制の第一歩です。
1995年アモサイト・クロシドライトが全面禁止
特に発がん性が高いとされるアモサイト(茶石綿)とクロシドライト(青石綿)の製造・使用等が全面禁止に。また、吹き付け作業の基準も「1重量%超」へと強化されました。
2004年アスベスト含有10品目の製造禁止
石綿セメント円筒、押出成形セメント板、住宅用屋根材など、アスベストを1重量%超えて含有する10品目の製造が禁止されました。
2006年原則全面禁止 (0.1重量%超)
労働安全衛生法施行令の改正により、アスベストを0.1重量%を超えて含有する全ての製品の製造、輸入、譲渡、提供、使用が原則禁止されました。ガスケットやグランドパッキンもこの規制対象となり、市場への新規供給が事実上ストップしました。
2012年例外なく全面禁止
代替が困難とされ、一部で猶予措置が取られていた製品(化学プラント向けガスケットなど)についても規制が適用され、アスベスト含有製品は例外なく全面禁止となりました。
【重要】古い建物や設備に残るアスベストへの注意点
2006年以前に建てられた建物や、それ以前に製造された設備には、アスベスト含有建材や部品(ガスケット等)が使用されている可能性が依然として残っています。これらの解体、改修、メンテナンスを行う際には、作業者の安全と周囲への飛散を防止するため、法律(石綿障害予防規則)に基づいた厳格な対策が義務付けられています。
- 事前調査の義務化: 建物の解体・改修工事を行う際、事業者はアスベスト使用の有無を事前に調査し、その結果を報告・掲示する義務があります。
- 適切な除去作業: アスベストが発見された場合、発じんレベルに応じた適切な隔離や湿潤化、作業員の保護具着用などの措置が必要です。
アスベスト含有ガスケットの代替品について
現在、工業分野で使用されるガスケットやパッキンは、アスベストを含まない「ノンアスベスト製品」が主流です。弊社では、長年の経験に基づき、お客様の使用条件(流体、温度、圧力など)や環境を詳細にヒアリングし、最適なノンアスベストガスケットをご提案しています。
ガスケットの選定をサポートします!

ガスケット・パッキン・工業用製品の総合カタログ
このカタログは、ガスケット・パッキンをはじめとした工業製品を幅広く取り扱う株式会社ダイコーの製品情報を詳しく掲載した総合カタログです。
