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【図解】FFとRFガスケットの違いとは?形状・用途・選び方をプロが解説

【図解】FFとRFガスケットの違いとは?形状・用途・選び方をプロが解説
配管のフランジ接続に不可欠なガスケットですが、「FF」と「RF」という種類があるのをご存知でしょうか?この2つはシール面の形状と面積が大きく異なり、間違って選ぶと漏洩などの重大なトラブルに繋がる可能性があります。
この記事では、FFガスケットとRFガスケットの根本的な違いから、それぞれの特徴、正しい選び方までを分かりやすく解説します。
FF(全面座)ガスケットとは?広い面積で安定的にシール
FFは「Flat Face(フラットフェイス)」の略で、日本語では「全面座(ぜんめんざ)」と呼ばれます。その名の通り、フランジの平らな接合面全体を覆うのが特徴です。
- ガスケット形状: フランジのボルト穴まで覆う、円盤状の形をしています(全面ガスケット)。
- 仕組み: 広い面積でガスケットを均一に締め付けるため、一部分にかかる圧力(面圧)は低くなります。
- 適した用途: 鋳鉄製や樹脂製フランジなど、比較的低圧でフランジの強度が高くない場合に適しています。

RF(平面座)ガスケットとは?狭い面積で強力にシール
RFは「Raised Face(レイズドフェイス)」の略で、日本語では「平面座(へいめんざ)」と呼ばれます。フランジのシール面の内径側が一段高くなっているのが特徴です。
- ガスケット形状: 盛り上がった座面(レイズドフェイス部)だけをシールする、ボルト穴のないリング状です(リングガスケット)。
- 仕組み: ボルトの締め付け力が狭い接触面積に集中するため、非常に高い面圧を得られ、強力なシール性能を発揮します。
- 適した用途: 高いシール性が求められる高温・高圧の配管や、鋼製フランジなどに適しています。

【一覧比較】一目でわかるFFガスケットとRFガスケットの違い
項目 | FF(全面座)ガスケット | RF(平面座)ガスケット |
---|---|---|
名称 | Flat Face (フラットフェイス) | Raised Face (レイズドフェイス) |
ガスケット形状 | ボルト穴付きの円盤状 | ボルト穴のないリング状 |
シール面積 | 広い | 狭い |
シール面圧 | 低い | 高い |
主な用途 | 低圧、鋳鉄・樹脂製フランジなど | 高温・高圧、鋼製フランジなど |
ガスケット選定で失敗しないための重要ポイント
FFフランジにはFFガスケット、RFフランジにはRFガスケットを使用するのが大原則です。また、フランジ形状だけでなく、使用する流体の種類、温度、圧力などの条件によって、最適なガスケットの材質(ノンアスベスト、PTFE、ゴムなど)も変わってきます。
不適切なガスケットの選定は、漏洩による事故や生産停止といった重大な問題を引き起こす可能性があります。選定に少しでも不安があれば、専門家へ相談することが重要です。
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